5500kmダイエット挑戦記。BACK NUMBER

体重20kg増、体脂肪率50%大学生。
豪州を自転車横断でダイエットの旅! 

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横田健太

横田健太Kenta Yokota

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photograph byKenta Yokota

posted2014/10/28 10:30

体重20kg増、体脂肪率50%大学生。豪州を自転車横断でダイエットの旅!<Number Web> photograph by Kenta Yokota

左がやせていた頃、右は体重がほぼ最大だった頃の横田くん。体重差20kg、体脂肪率6倍は、人をここまで変えるのか。

ヒマな僕が思いついた、自転車ダイエット。

 しかし“長い夏休み”に入った(要するにヒマな)僕は、「ただダイエットをするだけでは面白くない」と思うようになった。そして思いついたのが「旅をしながら痩せる」というプランだ。

 就職活動中からも、ダイエットの一環でウルトラマラソン(フルマラソンよりも長い距離を走るマラソン)に出場していたので、どこか海外を走って痩せることも考えた。

 だが丹後100kmウルトラマラソンで、重たい身体を支えきれずに両脚が痙攣したことを思い出すと、マラソンはやはり体の負担が大きすぎる。10月中旬から2カ月というスケジュールでは、走って旅をするにはやや時間が足りない気もした。

 悩んでいる時に、ふとマラソンを走る僕の横を自転車が通り過ぎる光景が思い浮かんだ。自転車なら身体への負担もランニングと比べたら少ないだろうし、何より速いから長い距離を移動できる。消費カロリーだって、ランニングと遜色ないはずだ。

 さらに自転車であれば、鍋やナイフなど自炊するための道具を持参することもできる。ダイエットの要諦は、運動と食事。食事を自分で作れれば摂取カロリーも抑えられるはずだ。

行き先はオーストラリア。安全が最優先!

 行先も決めた。オーストラリアだ。

 理由は3つ。1つめは、10月中旬が現地では初夏で、暖かいこと。北半球は冬に向かう季節で、自転車だけでなくアウトドア初心者の自分には厳しい。

 2つ目は、社会人になってから仕事でオーストラリアに行く機会があまり無さそうだったから。僕の入る業界では、アメリカ、アジア、欧州に出張をする可能性はあるが、オーストラリアに赴任する可能性はほぼゼロ。時間を自由に使える学生の時にしか、長期間滞在しなさそうな国なのだ。

 そして3つめは、治安が良いこと。旅にはトラブルがつきもので、それが醍醐味といえるのかもしれない。でも盗難程度ならともかく、ダイエットに行ったら誘拐されました、というような事態は避けたかった。

 自転車でオーストラリアを旅する――もちろんダイエットしながら。大枠が決まると具体的なルートもすぐに思い浮かんだ。出発は西のパース、約100km続く砂漠地帯のナラボー平原を抜けて、アデレード、メルボルン、キャンベラを順に通りシドニーがゴール。総走行距離、約5500km。夢は膨らむが、きつかった100kmマラソン55回分の距離と考えると気が遠くなる。

 最大の難所は、おそらくナラボー平原になる。100km~200kmおきに道の駅みたいな場所がある以外補給は期待できず、さらに毒性の生物も生息している。テントを張り間違えれば、サソリにチクリとやられてしまうかもしれない。

【次ページ】 実は自転車を買ったのは7月……。

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