5500kmダイエット挑戦記。BACK NUMBER
体重20kg増、体脂肪率50%大学生。
豪州を自転車横断でダイエットの旅!
text by
横田健太Kenta Yokota
photograph byKenta Yokota
posted2014/10/28 10:30
左がやせていた頃、右は体重がほぼ最大だった頃の横田くん。体重差20kg、体脂肪率6倍は、人をここまで変えるのか。
実は自転車を買ったのは7月……。
旅の概要が具体的に決まったが、準備することは山ほどあった。
まず必要なものは約100万円の資金と、2カ月で5500kmを走破できる肉体。それに自転車、キャンプ道具、自転車に必要な小物(調べていくと山ほどある)。そしてタイヤのパンク、解体、修理など、トラブルが起こったときに対処できる知識や経験だ。
お金は、とにかくバイトをするしかなかった。ビールフェスタでのバイトはダイエットをする身には誘惑が多かったが、いまとなってはいい思い出だ。
一番心配だったのが道具だ。恥ずかしい話だが、自転車を購入したのは7月下旬。それまではまともな自転車に乗ったことすらなかったのだ。
体力については、今年も三浦半島、丹後と2つのウルトラマラソンを完走しており、2つ合計で160kmを完走した僕はひそかに自信に溢れていた。しかし自転車の経験者曰く「マラソンで使う体力と、自転車の走力は別物」とのこと。
初練習は、東京から兵庫までの800km!
そこで自転車購入から1週間、まずは東京から兵庫の明石海峡まで走ってみることにした。前輪、後輪の左右にバッグを装備するが、初心者の僕にとっては何か漫画にでてきそうな、現実離れした乗り物にしか思えなかった。メンテナンス方法を一通り本で勉強したものの、パンクしても修理できるか不安を抱えたままの出発だったのを覚えている。
当時は8月上旬。凄まじく暑い中を旅してしまったため、標高1000m近くまで続く箱根峠では熱中症になり50mおきに嘔吐し座り込んだ。
静岡~名古屋間では1日で180km走り、夜中の国道一号線でトラックにひかれそうになった。
関西に入っても、琵琶湖が自転車の有名な練習コースだったということを知って、大雨の中1周200kmを走行するという、初心者には心が折れそうな試練を乗り越えてきた。それでも、体脂肪率50%で完走したウルトラマラソンの苦しさを思いだすと、自転車での身体的苦痛はずいぶん小さいものに思え、なんとか約800kmの道のりを走破できた。