プロ野球亭日乗BACK NUMBER
“自己犠牲”徹底の巨人にどう挑む?
点が取れない阪神に必要な1つのこと。
posted2014/10/15 12:45
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Naoya Sanuki
巨人と阪神の激突――。
セ・リーグクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは、ポストシーズン制度が導入されて以来、初めての巨人対阪神の“伝統の一戦”となった。
今季の両チームの対戦成績は巨人の13勝11敗。このカードに限ったチーム打率と総得点は巨人が打率2割5分8厘の99得点で阪神が同2割3分8厘の79得点、チーム防御率と失点は巨人の3.06、79失点に対して阪神は4.09の99失点とデータ的には巨人有利という数字が残っている。
特に目を引くのは8月以降の両チームの対戦成績だ。
7月までは阪神が9勝6敗と勝ち越していたのに、8月以降に限ってみると巨人が7勝2敗と圧倒的な数字を残している。
「いかに点を取るか」に苦しむ阪神。
この差がどこにあるのかと言えば、阪神の得点力の急落ということに尽きるようだ。
8月以降の9試合で巨人の41得点、1試合平均ほぼ4.5得点に対して、阪神はわずかに19得点と1試合で2点強しか取れていない。8月以前の15試合では平均4得点していたのと比べると半減しているわけだ。また8月以降の巨人の他カードでの1試合平均失点が3.66点であることを見ても、やはり阪神の点の取れなさが際立つことになる。
これは広島とのCSファーストステージでも同じだった。
短期決戦はなかなか点が入りづらく、重たい試合となるが、2試合19イニングで得点は第1試合の6回に福留孝介外野手が放ったソロ本塁打による1点だけ。輪をかけて広島が点を取れなかったことで勝ち上がってきたが、いかに点を取るかが、阪神がファイナルステージ突破への最大のカギとなるのは明白である。
そこで1つのポイントとなるのが、ベンチを含めた巨人と阪神の動くことへの意識の差である。