サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
U-21代表、痛恨のPKで韓国に敗戦。
「我慢」の次は、リズムを変える力を!
posted2014/09/29 16:30
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
AFLO
韓国の波状攻撃をしのいで0-0で折り返すと、ハーフタイムのロッカールームでは、あちこちで大きな声が響いていた。
「押し込まれても我慢しよう」「我慢できたら必ずチャンスは来る」
あれほど大人しかった、練習でもなかなか声の出なかった選手たちが、誰彼なく声を掛けあっていたというのだ。
仁川アジア大会・男子サッカー準々決勝。U-23代表+オーバーエイジ枠3人で臨んでいる大会ホスト国の韓国に対し、リオデジャネイロ五輪世代であるU-21日本代表は、立ち上がりこそチャンスを作ったものの、その後は一方的に押し込まれる厳しい展開を強いられていた。
ただ、A代表招集歴のある6選手を擁する韓国は個々の経験値で日本を上回っており、耐える展開は日本にとって想定内でもあった。
手倉森監督が掲げた「割り切った戦い」。
ピッチ上には、手倉森誠監督が掲げる「割り切った戦いをして勝つ」という今大会のテーマを体現しようとするメンバーがそろっていた。4-2-3-1の1トップに入った鈴木武蔵を前線に残し、自陣ではガッチリと守備ブロックを敷く。集中力も高かった。
後半キックオフ直後から韓国は、ホスト国の威信にかけて、あるいは伝統の日韓戦に燃えて、必死のプレーを見せた。球際での激しい当たり、オフザボールでの動きも鋭かった。
U-21日本代表も、全力で対応した。中盤では、ダブルボランチの一角で先発したキャプテン大島僚太が、大柄な韓国選手にボディコンタクトを挑みながらボールを奪いに行く。最終ラインの岩波拓也と植田直通の“186センチCBコンビ”は、韓国お得意のロングボールをことごとく跳ね返した。
「相手が韓国ということで、球際の部分は強く意識して試合に入った。ロングボールも、あれを跳ね返せばあまりピンチはないと思ってやった」と岩波は胸を張る。立ち上がりから球際での激しさを見せていた植田直通の眼は、試合が進むにつれてギラギラと一層輝いていた。