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アギーレとクーマン、2つの“新体制”。
吉田麻也が直面する異なる課題とは。

posted2014/09/25 16:30

 
アギーレとクーマン、2つの“新体制”。吉田麻也が直面する異なる課題とは。<Number Web> photograph by AFLO

レギュラーの座を掴みかけたタイミングで、接触により靭帯を痛めてしまった吉田麻也。サウサンプトンは5節終了時点で2位と好調で、苛烈なレギュラー争いは始まったばかりだ。

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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AFLO

雑誌Numberの連載、吉田麻也「Survive ~日本人DF 頂点への道~」。
Number Webでは、雑誌と連動したウェブオリジナル企画
「Survive PLUS ~頂点への道~」として、Number860号には
掲載されなかったエピソードや、取材の舞台裏などをお届けします。

第7回の今回は、W杯を終えて迎えた2つの新体制について、
その共通点、異なるチーム内でのポジションを語ってくれました。

 4年後のロシアW杯に向けて、日本代表はハビエル・アギーレ監督のもと、新たなるスタートを切った。

 9月に行なわれたウルグアイ戦とベネズエラ戦。その2試合でキャプテンマークを巻いたのは、本田圭佑だった。独自の思考法と勝気な性格で、これまで代表でも代えの利かない存在感を放ってきた男。交代などの理由でスポット的にキャプテンを務めたことはあったが、新体制の初陣でまさかの指名となったため、世間からも注目を浴びた。

 同時に、メキシコ人監督は本田を含めた3人の選手を、主将候補に挙げた。

「本田と川島永嗣、そして吉田麻也がチームの中心だ」

 W杯ブラジル大会を経験し、なおかつ現在海外でプレーする3人。奇しくも若かりし頃に名古屋グランパスで戦っていた彼らが、アギーレジャパンの精神的支柱として浮上したのだ。

 アギーレ監督は、主将はフィールドプレーヤーに託したい考えを持っていたという。その時点で、腕章を巻くのは吉田と本田に絞られたのだが、「より経験を持つ本田にお願いしたい」ということで、今回のキャプテンは決まった。

 ただ本田からは、永続的に主将を務めることを暗に避けるような発言もあった。今後その意図を指揮官が汲んだとすれば、栄誉ある代表キャプテンの座が26歳のプレミアリーガーに転がり込む可能性が大きいのだ。

合流前、吉田はキャプテンなど夢にも思っていなかった。

「どんな監督なんですかね。言われているとおり、激しい人なんだろうか。でも、戦術や理論もなく、『根性だ! 行け!!』というだけの人だったら、僕は苦手ですよ! そうだったらどうしよう(笑)」

 チーム合流を前に、吉田はジョークを交えながら新監督に思いを馳せていた。この時は、まさか自分が主将候補になるなど、夢にも思っていなかっただろう。長谷部誠もザックジャパンから継続して選出され(合宿途中で負傷離脱)、前述のとおり川島や本田という先輩もいる。彼らと普段から頻繁にコミュニケーションを取る吉田は、個性的で周囲を巻き込む影響力も持つ先輩たちの人柄を理解している。

【次ページ】 経験、語学、五輪での経験というアドバンテージ。

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