野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
野球芸術家の卵たちが集結。
「がんばれ! 日本橋ベアーズ」
posted2014/08/26 10:30
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph by
Hidenobu Murase
海の向こうで行なわれているリトルリーグのワールドシリーズでは、アメリカ代表の13歳の女子投手、モネ・デービスが70マイル(約113km/h)のストレートを投げたのだとか。
まるで映画『がんばれ! ベアーズ』に登場する剛球少女、テータム・オニール然とした才能の登場に全米が震撼するこの夏。
日本の東京でもまた、異能ともいえる“野球女子”の発掘を試みる男がいた。
そう、「ベアーズ」のウォルター・マッソー演じるのんべえの監督、バターメーカーよろしくその手にヤクルトを持ち歩く彼の名は、芸術家・ながさわたかひろ――。
この男の詳細は過去記事に委ねるが、野球と芸術の融合を目指しながら、東京ヤクルトを入団したり退団したり、トライアウトを受けたり(※注 全部自称)してきた異端の作家。
昨年末にお送りした記事では「北海道から福岡まで、どこへでも行く覚悟です」と移籍宣言をしておきながら、フタを開けてみればやはりヤクルトから離れられず、今季も活動続行を宣言。しかし、この半年の間に状況は好転し、球団とは別ルートでながさわの作品が球場のグッズ売り場で販売されたり、フジテレビ「アウト×デラックス」に出演して知名度を上げたりと、彼を取り巻く状況は一変していた。
野球芸術家チーム「日本橋ベアーズ」を結成。
今季は作品の一環として、神宮球場で自らが作った「ながさわが選ぶベスト9」選手カードをお客さんに配り歩くヤクルトおじさんと化したながさわから、『この夏、新たな動きを見せる』という連絡がきた。
それは野球をテーマに扱った芸術家チーム、「日本橋ベアーズ」の結成。過去に紹介した現役女子大生野球芸術ユニット「代打○○○」をはじめとした若手アーティスト9名が、それぞれの表現で野球を芸術にしていくという試みは、これからの日本における“野球芸術”という分野の発展に大きく影響を齎してくれる可能性を秘めているとながさわは熱く語る。
7月。その結団式が東京・日本橋のギャラリー「YUKI-SIS」で、行なわれるというので訪れてみた。