プロ野球亭日乗BACK NUMBER
交流戦縮小は球界の発展にマイナス?
メジャー流変則システムも検討を。
posted2014/08/22 10:30
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kyodo News
交流戦の試合数削減が物議を醸している。
8月11日に行なわれたプロ野球の12球団代表者会議で、セ・パ両リーグの交流戦が来季から2年間、年間18試合制で行なわれることが決まった。
プロ野球再編騒動を機に、主にパ・リーグの観客動員増を狙って生まれた交流戦は、スタートした2005年当初は36試合制だったが、セ側の要望で翌'07年からは現行の24試合制で行なわれてきた。しかしその間も、さらに試合数を減らすことを主張するセ・リーグと、現状維持を求めるパ・リーグの間で意見が対立。今回はセ側の要求をパ側が飲むという形で削減が決まった。
これまで頑なに削減案を拒否してきたパ・リーグが、今回セ側の要求を飲まざるを得なかったのは、試合日程の間延びと後半日程へのしわ寄せという問題を突きつけられたからだった。
「侍ジャパン」発足で日程の前倒しが必要に。
24試合制になってからは1カード2試合制で移動日が増え、試合のないいわゆる“空白日”が増えすぎてしまった。今季は交流戦が行なわれた38日間のうち、試合のない日が15日と、あまりに間延びしたスケジュールだった。
加えて雨天中止の予備日を設定しなければならないために7、8月が過密日程となる。特にドーム球場ではない本拠地が4つあるセ・リーグは、最終的な日程消化も危ぶまれ、打ち切り案が取り沙汰されるほどだった。
球界全体の問題としては、年内には日本代表「侍ジャパン」の事業会社化が決まっており、来年からは11月に日本代表による国際試合を常設化する案がある。そのためには、現在11月にずれこむケースがほとんどの日本シリーズを、10月一杯に終了することが求められ、公式戦日程は10月初旬には消化しきることが必要になるのだ。
現行の24試合制度では、なかなかこれらの問題を解決できないというのが現実だった。セ・リーグ側からこうした意見を突きつけられたパ・リーグは、苦渋の選択として削減案を飲まざるを得なかったというわけである。