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交流戦縮小は球界の発展にマイナス?
メジャー流変則システムも検討を。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2014/08/22 10:30
今季の交流戦は、16勝8敗でジャイアンツが2年ぶり2度目の優勝を達成。同率で最下位となった楽天、阪神、広島の3チームとは、交流戦だけで7ゲーム差がついた。
交流戦は、確かに野球の活性化に役立っていた。
そう考えると3連戦システムで6カードを行ない、ホーム&アウエーを隔年で消化していく18試合制度という結論は、一つの答えとしてはありということになるのかもしれない。
ただ、である。
交流戦が野球活性化に果たした役割を考えたとき、果たして削減、縮小というマイナスの方向性は正しいのだろうか。そこに必ず疑問は残るし、だからこそ今回の決定がファンの間で物議を醸すことになるわけだ。
今季の1試合平均の観客動員は、セ・リーグ6球団はリーグ戦も交流戦もほぼ横ばいだったが、パ・リーグでは交流戦の方が平均3000人ほどの増加を示している。ということは少なくともパ・リーグのファンにとって、交流戦はニーズの高い優良コンテンツであり、削減は球界全体にとってはマイナスになるのではないだろうか……。
公平性はもちろん必要なものだが……。
メジャーを見ていると、日本人の公平性へのこだわりを過剰に感じることがある。
今回の日本の交流戦の改革で、本拠地開催が隔年になることに「公平性を欠く」という意見があるが、メジャーではインターリーグの対戦カードはバラバラで、地域性を優先した変則的な組み合わせがいくらでもあるのが現実だ。それでも「アンフェア」という声は聞こえず、それはそれとして当たり前のものとして受け入れられているのである。
そう考えたときに、例えば3連戦6カードの18試合制度とは別に、MLB方式でシーズン中に各チーム3カードほどの交流戦を挟んで27試合制で実施するというのもありではないだろうか。3連戦であれば、あまりムリせずに通常のシーズンの中に交流戦を組み込むことも可能で、年間を通してセ、パの対決を見られるようになる。そうして2年間でホーム&アウエーの6試合を消化するという方式である。
「何で今年はあの強いチームと6試合やって、あの最下位チームとは3試合なんだ」という不公平感を言い出したら、これは実現できない案ではある。ただ3連戦システムを採用していれば、むしろ2連戦より勝ち負けは平均化されて勝敗の開きは出てこないのではないかとも考えられる。
これでもし、強い相手に6試合で6連敗するようなら……。システムの問題というよりは、むしろチームに問題がある――。システムに文句を言う前に、自分のチームを強くすることに力を注げというだけである。