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岡田彰布が語る、甲子園のスターは
なぜプロ野球で失敗するのか?
posted2014/08/18 16:30
text by
岡田彰布Akinobu Okada
photograph by
Sports Graphic Number
メルマガ「野球の神髄~岡田彰布の直言~」。
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!
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今週の目次
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【1】 “死のロード”と夏の甲子園。
~なぜ甲子園のスターはプロで失敗するのか~
【2】 読者の質問に「そら答えるよ」。
~岡田彰布のズバリ回答~
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【1】 “死のロード”と夏の甲子園。
~なぜ甲子園のスターはプロで失敗するのか~
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──台風の影響で開幕が2日間遅れましたが、夏の高校野球が開幕しましたね。阪神にとっては甲子園を明け渡している間、長期ロードを強いられるわけですが……。
岡田:オレが現役のころの夏のロードはホンマにキツかったよ。3週間近く家に帰れないんやから……。高校時代は甲子園を目指してたけど、プロになってからは高校野球のせいで、ずいぶんしんどかったわ(笑)。
せやけど、今は移動も新幹線や飛行機やし、ホテルも快適やしな。それに京セラドームを使えるのも大きいな。
──夏場になると負けが込んで失速する……というのが、かつての阪神でした。
岡田:たしかに選手にも疲れが溜まってくる時期やし、キツいことはキツいけど、今は“死のロード”というわけでもないしなあ。阪神だけやなくて、キツいのはどのチームも一緒やんか。
──阪神は8月5日~7日のヤクルト3連戦を負け越しましたが、巨人もDeNA相手に8年ぶりに3連敗を喫しました。首位・巨人と2位・阪神のゲーム差は1.5。12日からの東京ドームでの直接対決で、順位がひっくり返るか……。
岡田:大事な3連戦ではあるけど、仮に順位がひっくり返ったとしても、そんなんなあ……まだ一喜一憂する時期ちゃうよ。前にも言ったように、今は貯金をふやすことが大事やからな。
──対巨人戦は26日~28日(東京ドーム)、9月9日~11日(甲子園)を残しています。
岡田:首位争いは最後までもつれるかも分からんし、むしろもつれないとアカンわな。せやけど、今は貯金を減らさないように踏ん張っていくしかないわ。
「荒削りでも光るものがあればいい」
──岡田さんが高校3年時の1975年ドラフトでは杉村繁(高知商→ヤクルト)、篠塚利夫(銚子商高→巨人)ら、甲子園を沸かせたスターが1位指名されました。篠塚選手は巨人の主力選手になりましたが、スラッガーとして鳴らした杉村選手は、プロ入り後は12年間でわずか4本塁打に終わっています。そこで読者から、こんな質問が届いているんですが……。
【Q】:甲子園の季節も近くなってきましたが、甲子園までの選手と、
プロに入ってからも伸びる選手の違いはなんなのでしょうか?
岡田:ドラフトで大学生や社会人を指名する際は、即戦力としての人材をとる。ある程度、完成されていて、実力がハッキリしている選手をとるわけや。
対して、高校生の場合は、ピッチャーだったらメッチャ速い球を放るとか、バッターだったらデカいホームランを打てるとかな。全体的に荒削りではあっても抜きん出た資質を持った選手のほうが良かったりするんよ。ファームで磨いて、鍛え上げたら大きく伸びそうな素材型の選手がええんよ。
──将来性ということですね。ちなみに1975年ドラフトでは北別府学(都城農高)も広島から1位指名を受けています。九州大会で完全試合を達成してスカウトの注目を集めるも、甲子園出場はなく、全国的には無名に近かった。それでもプロ入り後の活躍はご存じの通りです。
岡田:甲子園で勝てるピッチャーは完成品が多いわな。140km台の速球を持っていて、数種類の変化球も投げられて……と、そこそこまとまってるピッチャーがおる学校は、やっぱり強いよ。勝てば注目もされるから、マスコミに騒がれるわな。
でも、高校生レベルでは通用しても、プロでもそのまま勝負できる選手はひと握り。ホンマもんの「超高校生級選手」なんて、数年にひとり出てくるレベルやろ。そういう意味では、藤浪晋太郎はたいしたもんや。
今年の高校生投手だったら、安楽智大(済美)やろな。今年の夏は地方大会で負けたけど、2年生のときの彼には光るものがあったよ。彼が「超高校生級」かどうかは分からんけど、ああいう選手こそプロ向きの素材だとオレは思うよ。ヒジの具合は気になるところやけど……。
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