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交流戦縮小は球界の発展にマイナス?
メジャー流変則システムも検討を。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2014/08/22 10:30

交流戦縮小は球界の発展にマイナス?メジャー流変則システムも検討を。<Number Web> photograph by Kyodo News

今季の交流戦は、16勝8敗でジャイアンツが2年ぶり2度目の優勝を達成。同率で最下位となった楽天、阪神、広島の3チームとは、交流戦だけで7ゲーム差がついた。

交流戦を除くと貯金はわずかに3の巨人。

 以上が制度的な交流戦の問題点だが、これに加えてさらに思うことがある。それは現行の2試合制だと、交流戦の結果があまりにペナントに影響を与えすぎるということだ。

 今年の交流戦は16勝8敗の巨人が優勝し、その貯金が生きて8月19日現在もセ・リーグ首位をキープしている。

 しかし交流戦の勝敗を除けば、巨人は41勝38敗で貯金はわずかに3。逆にセ・リーグで巨人を追う広島と阪神はともに交流戦を9勝15敗と大きく負け越しているのだから、結局は交流戦の勝ち負けがリーグ戦の結果を左右していることになる。

 もちろんこれも、実力が反映された結果なのだから仕方ないという見方もある。ただ、この極端な結果が出る大きな理由に、交流戦で採用されている2連戦システムがあるとすれば、改善の余地は出てくるのではないだろうか。

2連戦制度は、明暗が極端に出やすい制度。

「ペナントレースを戦う上で最も警戒しなければならないのは同一カードでの3連敗なんです。一度3連敗すると、それを取り戻すのに最低でも3カード、ヘタをしたら1カ月近くかかってしまう」

 こう語っていたのは、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督だった。

 連勝はできるが、3連勝はなかなか難しい。これはペナントレースを戦うチームが持つ一般的な見解だ。だから3連戦というシステムは、微妙なバランスを保つのに一番いい形なのである。

 ところが2連戦システムでは連勝、連敗が日常的に出てしまう。結果、1カードで貯金2と借金2という極端な結果が生まれ、それがペナントレースに影響をもたらすというわけだ。

 今年の交流戦を1カード2連戦ずつに区切って見て行くと、巨人は6回の同一カード連勝をマークして連敗は2回だけだった。これだけで貯金は8である。一方の阪神は連勝0で連敗が3回、広島は連勝が3回あったが連敗が6回。最終的に交流戦で背負った借金は両チームとも6となった。

 2連戦制度の明暗が極端に出た例だったと言える。

【次ページ】 交流戦は、確かに野球の活性化に役立っていた。

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