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男子ツアーの未来は地元密着にあり?
福島オープンという幸せな成功例。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byKyodo News

posted2014/08/06 10:50

男子ツアーの未来は地元密着にあり?福島オープンという幸せな成功例。<Number Web> photograph by Kyodo News

16アンダーでツアー2勝目をあげ、初代王者となった小平智。東北でのツアー開催は2007年まで開催されていたJCBクラシック以来、7年ぶりだった。

47都道府県の半分以上で、ツアーの試合が存在しない。

 全国津々浦々で行なわれているイメージがあるゴルフツアーだが、1年間で実際に男子のレギュラートーナメントが開催されているのは、47都道府県のうち半分に満たない。

 しかしその他にも、各地のゴルフ連盟や地域団体が運営しているローカルトーナメント、地方オープンと呼ばれる試合がある。連戦の合間を縫って、有名プロが参戦する規模の試合も、ざっと数えて年間10近くは存在する。例年シーズン開幕直前に行なわれる岐阜オープンは、多くのツアープレーヤーが最終調整の場にしており、この夏場にも岩手県オープンや奈良県オープンなどが開かれている。

 そのうちの1つにすぎなかった福島オープンが、ダンロップスポーツと共催スポンサーとしてタッグを組み、レギュラーツアー昇格につながったのが今回のケースだった。

 ゼロからプロの試合を立ち上げるのとは違い、既に大会としての実績があったことで、ツアー昇格はスムーズに進んだ。もともと潜在的にゴルフ熱もある地域であり、ボランティアをはじめスタッフも、試合運営のノウハウを素早く理解してくれた。

 ある関係者が「ゴルフについて、試合について“同じ言葉”で会話できるとストレスが無い」と話したのもうなずける。

スポンサーは有名企業から地元のラーメン店まで。

 今回のダンロップスポーツのように、ツアートーナメントとなればやはり、それなりの規模のスポンサーが必要になる。ただ、地方オープンが持つ独自の歴史は、今後の大会運営のあり方を考えるヒントにもなりそうだ。前身の福島オープンの実行委員長を務めていたシニアプロ・橋本日都は言う。

「大きいスポンサーを集めるのはやっぱり大変。でも、ひとつひとつは小口の支援でも、続けていると地元の支援というのは不思議に増えていくんですよ。『今年は苦しいから勘弁して』というところがある一方で、新たな協力者が自然と現れるんですよね」

 知人のアドバイスを受けながら、目指したのは地域密着を理念に掲げるJリーグのクラブ運営だったという。今大会に出資した団体、個人はのべ120に及んだ。コース内に並ぶスポンサーボードには、住友ゴムをはじめとした有名企業のものから、地元の商店、近くのラーメン店の看板まであった。昨年まで、震災直後も大会を継続させてきた経験があるだけに、この言葉は重い。

【次ページ】 「トーナメントの存在だけで得るものがある」(青木功)

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