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男子ツアーの未来は地元密着にあり?
福島オープンという幸せな成功例。

posted2014/08/06 10:50

 
男子ツアーの未来は地元密着にあり?福島オープンという幸せな成功例。<Number Web> photograph by Kyodo News

16アンダーでツアー2勝目をあげ、初代王者となった小平智。東北でのツアー開催は2007年まで開催されていたJCBクラシック以来、7年ぶりだった。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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 春先に本コラムで紹介した日本男子ツアーの新規大会、ダンロップ・スリクソン福島オープンが、福島県のグランディ那須白河GCで行なわれた。

 男子ツアーが年間の試合数確保に苦しんだ結果、7月から8月にかけてぽっかり空いたレギュラーツアーの“夏休み”。そこに飛び込んだ小さなトーナメントは、予想に反して盛況のうちに幕を閉じた。

 4日間のギャラリー数10,954人は、今季ここまでの国内開催9試合で確かに下から2番目の数字ではある。しかしこの大会が、昨年まではツアー競技ではなくひとつのローカルトーナメントだったこと、過去19度の開催は観戦無料でありながら来場者が数百人ほどだったことを考えれば、経済効果という面でも見過せない数字だ。

 テレビ中継は福島ローカルとCS放送のみだったが、青木功が解説を務め、土曜日にはその隣に予選落ちした中嶋常幸が座った。ちなみにレジェンド2人の放送席での豪華共演は過去、どのツアー中継でも例がなかったとか。

 東日本大震災以降、初めて東北地方で開催された被災地でのレギュラーツアーは、現地のみならず、県内のお茶の間にもホットな週末を提供したのである。

賞金総額は少なくとも、裾野を広げることは大切。

 大会の賞金総額は、年間の男子ツアーで最も安い5000万円。それどころか、3日間大会が中心の女子ツアーを含めても最低だ。日本ゴルフツアー機構(JGTO)のスポンサー向けの資料によれば、トーナメント開催における最低限の必要経費は、賞金総額を6000万円に設定した場合で約1億5000万円となっている。今大会の予算規模もそれに近いスケールだ。

 それでもなお、この試合が出場選手たちからも好評だったのは、大会発足の経緯が男子ツアー再興への可能性を感じさせたからである。

 過去に通算3期選手会長を務め、スポンサー離れに伴う試合数の減少と向き合ってきた宮本勝昌は「大きなスポンサーにバックアップしてもらって、地方の大会がツアーの試合になるというのはひとつの形になる」と大きな目を見開いて話した。

「ビッグトーナメントももちろん必要。でも相撲の巡業じゃないけど、全国でトーナメントができるようになるのも、ツアーにとって大事なことじゃないかな」

【次ページ】 47都道府県の半分以上で、ツアーの試合が存在しない。

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