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W杯の敗因の1つ「コンディション」。
調整過程に浮上した“3つのミス”。 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/08/04 10:30

W杯の敗因の1つ「コンディション」。調整過程に浮上した“3つのミス”。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

アギーレの日本代表監督就任を発表する会見で、ブラジルW杯での敗因を語った原博実技術委員長。アギーレについては「お金のないクラブで結果を残すなど、引き出しの多い監督」と期待を口にした。

涼しい場所に滞在する日数が長すぎた?

 3つ目の失敗は、ブラジル入り後に起こる。それは「涼しい場所に滞在する日数が長過ぎた」ということだ。

 日本代表が抽選前に、サンパウロ郊外のイトゥをベースキャンプに選んでいたように、アメリカ代表も抽選前にサンパウロに決めていた。ところが抽選の結果、両国ともにグループリーグの3会場がすべて高温多湿のブラジル北部になってしまった。一方サンパウロは涼しく、朝晩は寒さを感じるほど。ベースキャンプの場所が明らかに最適ではなかった。

 ここからの行動が日本とアメリカでは異なっていた。

 涼しい場所に移動すると、日を追うごとに暑熱順化の効果は薄れていってしまう。そこでアメリカは、初戦前にサンパウロにいる期間をなるべく短くするために、FIFAに直訴して試合の3日前に初戦の会場のナタールに移動することを決めた。結局、初戦前にサンパウロには4日間しかいなかった。

 それに対して日本は、6月7日にイトゥに入り、初戦の会場のレシフェに移動したのは試合前日の6月13日。7日間もイトゥに滞在したのだ。わずかに手にした暑熱順化の効果すらも手放してしまった可能性が高い。

「負荷設定のミス」、「練習時間のミス」、「日程管理のミス」……。暑熱順化を意識するあまりにその対策が過剰になり、さらに調査が甘く、選手たちの体力を大会前に疲弊させてしまった。

 敗因はひとつではない。だが、あまりにも準備段階のプロセスにミスが多かった。

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