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マキロイとの11打差は“自信”の差。
松山英樹が陥った「負の連鎖」とは。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byJun Hiraoka

posted2014/07/19 11:30

マキロイとの11打差は“自信”の差。松山英樹が陥った「負の連鎖」とは。<Number Web> photograph by Jun Hiraoka

24位Tの松山英樹から首位のローリー・マキロイまでは11打差だが、3位Tまでは5打差でしかない。3日目、4日目、松山の「正の連鎖」は見られるだろうか。

“自信のコンビネーション”が生む正の連鎖。

 ティショットを曲げても、次打、次々打でどこからでも寄せ切る。一度ののミスを大きなミスに発展させず、抑えることができた。「たとえミスをしてもスコアは落とさずにいける」という自信が持てていたからこそ、自ずとアグレッシブなプレーができ、その攻めによって得られたチャンスは逃さずに生かす。

 技術面がパーフェクトではなくても、そうやって自分のゲームの流れをいい方向へ転換させ、保つことができれば、爆発的にスコアを伸ばす快進撃ができる。2日目のマキロイのゴルフは、そんな「正の連鎖」を披露してくれた。

「自分のゴルフに自信があって、ボールの行く先をコントロールできる自信があれば、すべてのことが楽になる。メンタル面を強くして、何にでも気づけるようになることが肝心。これは、諸々に対する“自信のコンビネーション”の賜物なんだ」

 ボールをコントロールする技術を備えていることが大前提ではあるが、その技術力を肝心の場面で発揮できるかどうか、正の連鎖をつなげていけるかどうかは精神力次第。

 だからこそマキロイは「正の連鎖」のことを「自信のコンビネーション」と言ったのだ。

松山英樹も2日目までは「正の連鎖」の中にいた。

 マキロイと同組で回った松山も、2日目の後半に入ったころまでは「正の連鎖」の中にいたのだと思う。

 2日目の出だし、1番からドライバーを握った松山は、3メートルのパットを沈めてバーディー発進すると、以後はティショットをやや曲げても次打でグリーンを捉え、グリーンを外してもショートゲームの上手さを生かすことでうまく補っていた。ショートパット、ミドルパットのどちらも上手く沈めて5番と10番でバーディーを奪うと、瞬間的には3位に立って優勝争いに参戦するかのような躍進を見せた。

 小さなミスをおかしても、自分はきっとリカバーできるから大丈夫。そう思える拠り所があれば、何も怖くない。松山もマキロイ同様にそんなゴルフをしていた。途中までは――。

【次ページ】 松山が「負の連鎖」に陥った瞬間。

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松山英樹
ロリー・マキロイ

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