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マキロイとの11打差は“自信”の差。
松山英樹が陥った「負の連鎖」とは。
posted2014/07/19 11:30
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Jun Hiraoka
ローリー・マキロイ、松山英樹、ジョーダン・スピースのスリーサムが2日目のラウンドを終えた直後。クラブハウスに向かう途上、マキロイの父ゲリーに出くわした。
「ローリーは素晴らしいプレーでしたね」と声を掛けると、父ゲリーは「いや、ただ、もう一日、いいプレーができただけだよ」
だが、謙遜して見せた言葉とは裏腹に、彼の表情は「我が息子を誇りに思う」と興奮気味に主張していた。
父ゲリーが言った「もう一日」というのは、初日にロイヤルリバプールのギャラリーがマキロイに投げつけた「まだ木曜日だから大丈夫だぞ」という野次に呼応した言葉だった。
マキロイはセント・アンドリュースで開催された2010年の全英オープンで初日63の好発進を切りながら2日目に80と崩れた。さらに、今季は米欧両ツアーの実に6試合で初日に好発進しながら2日目に大叩きして後退した。
それゆえ、初日に66をマークして単独首位に立った今大会も、2日目に崩れるのではないか。そこに人々の関心や興味が集まっていたことは否めない。だから父ゲリーは、2日目も66の好プレーを見せた息子のパフォーマンスを心底喜び、木曜のみならず金曜も「いいプレーができた」と誇らしげに言ったのだ。
マキロイも、すべてが完璧だったわけではない。
2日目のマキロイは、ボギー発進しながらも前半は5番、6番、8番でバーディー。後半はさらに4つのバーディーを加えて2位との差を4打へ広げる快進撃を見せたが、すべてのショット、すべてのパットが完璧だったかと言えば、決してそういうわけではなかった。
パー5の10番では、1打目も2打目も左ラフにつかまったが、深いラフからピン1mに寄せた3打目のアプローチは圧巻だった。12番でも左の深いラフにつかまりながら、ピン2.5mに付けた第2打が見事だった。14番では左ラフからの第2打がグリーン奥まで転がってしまったが、そこから80cmに寄せた第3打のおかげでパーを拾うことができた。