ゴルフPRESSBACK NUMBER
今回もメジャーの勝者は“ナイスガイ”。
マキロイと松山英樹の差は「笑顔」?
posted2014/07/22 11:25
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Jun Hiraoka
自分をどこまで信じることができますか?
ロイヤルリバプールの女神は、最初からそう問いかけていたのだろう。全英オープンの勝者と敗者を分けたものは、ひとえに「自信」だった。
自分を最も信じることができた人。それが、初日から最終日まで首位を守り通して完全優勝を達成したローリー・マキロイだった。
そして、2位になったセルヒオ・ガルシアとリッキー・ファウラーも、努力を積み、自分を信じながらこの地にやってきたからこそ、最終日はマキロイとの6打、7打の大差を2打まで縮める猛追をかけることができた。
優勝争いを戦い抜いた3人は、勝者も敗者も、みな素敵な笑顔だった。最初から最後まで、終始いい笑顔だった。彼らの笑顔は自信の反映。自信に裏打ちされた笑顔を武器に4日間を戦ったからこそ、彼らは見事なゴルフで1位と2位になった。
マキロイが念じ続けた「プロセスとスポット」。
「2つのキーワードを唱えながら、この全英オープンを戦おうと思う」
今大会の開幕前マキロイはそう言ったけれど、肝心のキーワードは胸にしまってしまった。だが、優勝会見でやっとその正体を明かしてくれた。
「1つはプロセス。もう1つはスポットだ」
マキロイは、すでに'11年全米オープンと'12年全米プロをどちらも2位に8打差で圧勝した強者だが、昨年は未勝利という苦しみを味わった。
「去年のこの大会のときが、苦しみのどん底だった」
どん底から這い上がるために、それまで以上の練習を積み、リンクスで求められるであろう、さまざまなショットを身に付けてきた。どんな状況で、どんなショットを打つべきか。適切な判断を下し、そのための正しいスイングをして必要な球を打つ。1年の歳月の中でつちかってきたそれらすべての「プロセス」が、今大会に挑んだマキロイの揺るぎない土台になっていた。