MLB東奔西走BACK NUMBER
オールスター初選出はむしろ“当然”?
年を重ねるごとに成長する上原浩治。
posted2014/07/14 10:30
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph by
Getty Images
7月9日、故障者リストに入りオールスター戦での登板が不可能になったヤンキースの田中将大投手の代わりとして、MLBはレッドソックスの上原浩治投手の出場を発表した。
7月6日に発表された当初の出場メンバーからは外れていた上原だが、今年のア・リーグを指揮するジョン・ファレル監督は、投げられない投手が出た場合の補充選手の第1候補であることを明らかにしていた。まさに“順当な”選出だった。
「本当に選出に相応しい。昨年からここまで彼のような投球をしてきたリリーフ投手は他にいない。今回の選出は喜ばしいことだ。これによって彼が敬意を表されて欲しいし、そうあるべきだと思う」
ずっと上原の投球を見守ってきたベン・チェリントンGMはそう最大級の賛辞を贈った。
そしてGMの説明通り、上原は昨年のワールドシリーズ制覇を象徴する選手だっただけでなく、ここまで不振が続くチームの中にあって昨年同様の安定した投球を続けてきた、オールスターにふさわしい選手である。
オールスター選出の他のリリーフ投手と比べると。
今年のオールスター戦に選出されたリリーフ投手4人と7月10日時点の成績を比べてみよう。
試合数 | 投球回数 | 防御率 | WHIP | |
デリン・ベタンセス(26) | 39 | 53.1 | 1.52 | 0.73 |
ショーン・ドゥーリトル(27) | 41 | 42.1 | 2.98 | 0.69 |
グレグ・ホランド(28) | 35 | 33.2 | 1.87 | 1.01 |
グレン・パーキンス(31) | 37 | 37.1 | 3.13 | 1.07 |
上原浩治(39) | 41 | 42.2 | 1.27 | 0.75 |
如何だろうか。ベタンセス投手以外は全員がクローザーを務めている。チーム状況によってセーブ数に違いが生じるのであえて省略したが、防御率、WHIPともにまったく引けを取っていない。
ベタンセス、ドゥーリトル投手、ホランド投手の3人は選手投票による選出選手だが、パーキンス投手は監督推薦によるもの。
パーキンスがツインズから数少ない選出という裏事情がなければ、上原は選ばれていた可能性が高いと言っていいだろう。