MLB東奔西走BACK NUMBER
オールスター初選出はむしろ“当然”?
年を重ねるごとに成長する上原浩治。
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byGetty Images
posted2014/07/14 10:30
7月10日時点で41試合に登板し、5勝2敗18セーブ、防御率1.27。低迷するチームにあって、抜群に安定した成績を残している上原浩治投手。リリーフという厳しい環境下で、この数字は驚異的と言っていいだろう。
リベラも達成していない、史上2人目の快挙へ。
だがこうした評価はさておき、今シーズンも上原が賞賛に値するシーズンを過ごしていることは紛れもない事実だ。
このままのペースで投げ続ければ今年も登板試合が70試合の大台に到達するが、39歳で70試合登板した投手はメジャー史上6人しかおらず、しかもその6人中シーズン防御率が1点台以下だったのは2人しかいないのだ。
メジャー史上最強のクローザーだったマリアノ・リベラ投手でも、35歳を最後に43歳で引退するまで70試合以上投げていない。
これからの世間一般の評価を覆していくには、これまで同様、常にグラウンドの上で結果を残していかねばならない。そしてその繰り返しの中で、こうして日本人最年長でのオールスター出場という栄冠を手に入れた。
仮に上原が成績を残せなくなれば、世間は彼の年齢を理由に切り捨ててしまうだろう。
有言実行の上原の人生そのもののような投球に、すっかり魅了されてしまっている自分がいる。だからこそ上原の現在をこれからもきちんと伝えていきたいと思っている。