ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
ウリエが語る優勝候補と注目国。
「日本には確固たるビジョンがある」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2014/06/19 10:30
コートジボワール戦で先制点を決めた本田圭佑。敗れはしたが、決めるべき人間のゴールは復活の手がかりとなるか。
ドイツとイタリアは常に存在感を示す。
――しかしアルゼンチンも、この4年間で成熟したのではありませんか?
「その通りだが、私が大きな期待を抱いているのがチリだ。技術的・戦術的に彼らはとても面白い。オリジナルでもある。特に戦術面において」
――例えばどんな?
「ボールを保持する姿勢や変化の仕方など、2010年のワールドカップからすでに彼らはそんな風にプレーしていた。スペインに1-2で敗れ、ブラジルにも0-3で敗れたが、大国を相手にしての敗戦だ。プレー自体は決して悪くはなかった」
――コロンビアはそこまで興味深くはないですか?
「ファルカオを怪我で欠いた。どこまで期待できるか……」
――それではヨーロッパでは、まずドイツの名前を挙げましたが?
「ドイツとイタリアの両国は、大きな大会で常に存在感を示す。そして今大会でいえば、とりわけドイツとスペインだろう。
ただ、そうした優勝候補の他に、どの大会でもサプライズを起こす国がある。その点で私は、コンフェデレーションズカップの日本をとても面白いと思った。たしかにあの大会の日本は、プレーのクオリティに見合った結果は得られなかったが、グループリーグを突破するに値した。ブラジルと同じグループに入り、その初戦のブラジル戦で3分にネイマールが素晴らしい先制点を決めた。そこから挽回するのは難しい。しかし日本のプレーは、次のイタリア戦もその後のメキシコ戦も悪くはなかった」
「ザッケローニの素晴らしい仕事を認めるべきだ」
――日本のプレーの長所はどこにありますか?
「全般的にプレーそのものが好きだ。とてもバランスがとれている。ディシプリンもある」
――バランスというのは具体的には?
「攻守のバランスだ。それに日本はちゃんとサッカーをプレーしている。監督のザッケローニが素晴らしい仕事をしたことは認めるべきだ。私はイタリア戦の翌日に彼を祝福した。イタリアを相手に2-0とリードし、彼らを大いに慌てさせたのだから。とてもいいデモンストレーションだった」