ブラジルW杯通信BACK NUMBER
ドイツは攻撃的ながら“安全第一”?
センターバック4人起用、2つの理由。
posted2014/06/20 10:30
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Getty Images
グループリーグ最大の敵であるポルトガルとの初戦を、ミュラーのハットトリックを含め4-0で圧勝したドイツ。'90年のイタリアW杯以来のタイトル奪還に向けて好スタートを切った。
ヨーロッパ予選では最多36得点で、この試合でも4得点。その攻撃力ばかりに目が向いてしまいそうになるかもしれない。
しかし――。見落としてはいけないものがある。
まずは、ポルトガル戦のスタメンに目を向けてみよう。
フォーメーションは4-3-3。
GKはノイアー。
DFに右からボアテンク、メルテザッカー、フンメルス、ヘベデス。
MFではアンカーにラームを置き、その前にケディラとクロース。
FWは右からエジル、ミュラー、ゲッツェと並んだ。
この中で、注目すべきはディフェンダーだ。
レーブ監督「最終ラインを高く保つ必要はない」。
本大会前の最後の実戦となったアルメニア戦に続いて、ディフェンスラインには本職がセンターバックの選手が4人も並ぶことになった。『キッカー』誌は、この顔ぶれについてご丁寧にも英語で「セーフティーファースト」だと伝えている。
その真意はどこにあるのだろうか。
左サイドバックのレギュラー候補だったシュメルツァーが怪我のためにメンバーから外れたことも一因ではあるのだが、それ以上の理由がある。
レーブ監督は、1つ目の理由をこう説明している。
「我々はこの大会でディフェンスラインを常に高く保つ必要はない。W杯予選ではしばしば相手が自陣に引いてきた。その結果、我々はしばしば(カウンターに)苦しむことになった」