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田中、ダルビッシュ、岩隈、松坂。
4人の日米成績比較から見えるもの。
posted2014/06/14 10:40
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Getty Images
日本時間6月11日、12日は日本人メジャーリーガーの“競演”となった。
松坂大輔(メッツ)、岩隈久志(マリナーズ)、ダルビッシュ有(レンジャーズ)、そして田中将大(ヤンキース)が2日間で見られるという、贅沢を味わった。
もっとも印象的な投球を見せたのは、ダルビッシュ。マイアミ・マーリンズ相手にメジャー移籍後初となる完封勝利をマークした。前回の登板では球離れが早く、4失点を許したが、きっちり中4日で調整してきた。
その数時間後、今度は田中がシアトル・マリナーズ相手に9回一死までは無得点に抑えていたが、そこで本塁打をあびて2失点。残念ながら完封はできなかったものの、「オールスターの先発は田中か?」という評判通りの投球を見せた。
「一喜一憂しない」という成功法則を覆す田中将大。
それにしても、田中のマウンド上でのアクションは面白い。
昨年の日本シリーズでは、ロペス(巨人)を三振にとって叫び、一触即発の状態になったが、メジャーに移ってからも、自分の投球が出来ないときの感情表現が分かりやすい。
四球を与えると、明らかに自分に怒っている。
マリナーズ戦でも、本塁打を打たれたあとは明らかにスイッチが入り、2者連続三振でゲームセット。しかし、失点したことにはかなり立腹の様子で、試合終了直後は厳しい表情のままだった。
これまで、私は取材を通して、メジャーで活躍する秘訣は「結果に一喜一憂せず、淡々と仕事をこなしていくこと」という話を、日本人だけでなく、いろいろな国の出身のメジャーリーガーから聞いてきた。
しかし、田中は違う。
ひとつひとつの自分のプレーに感情を露わにする。
シーズンを通してどんな結果が残るのか、楽しみだ。