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田中、ダルビッシュ、岩隈、松坂。
4人の日米成績比較から見えるもの。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2014/06/14 10:40
メジャーでは珍しく、感情をむき出しにして投げる田中将大。その圧倒的なエネルギー量は日本時代のままだ。
4人の渡米以降の成績は?
そしてアメリカでの彼らの成績を見てみると……。
●松坂
勝敗 56勝40敗
防御率 4.44
奪三振 681個
●岩隈
勝敗 27勝14敗
防御率 2.84
奪三振 327個
●ダルビッシュ
勝敗 36勝20敗
防御率 3.13
奪三振 599個
●田中
勝敗 10勝1敗
防御率 2.02
奪三振 103個
近いうちに日本人投手の投げあいが見られるだろう。
評価すべき数字は、岩隈の防御率がメジャーでの方がいいこと。おそらく、岩隈のツーシームが圧倒的な武器になっているのが要因だろう。
ダルビッシュは、奪三振数で8年目を迎えた松坂に追いつきそうな勢いだ。ここまで数字が伸びているのは、現在のメジャーリーグの潮流として、打者が三振というリスクを取りながらも、本塁打を狙っていることと関係がある。ダルビッシュは自分の投球が生かせるタイミングでアメリカに渡ったのだ。
そして田中は昨季同様、日米で勝利数を増やし続けている。安定して先発を任せられることを証明している。
夏場に向け、この4人にベテランの黒田博樹(ヤンキース)も加わり、質の高い投球が見られそうだ。
今回、岩隈対田中の直接対決は幻に終わったが、近いうちに日本人先発投手の投げ合いが見られそうだ。