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ザンビア戦は“敗戦に近い”逆転勝利。
本田、吉田、ザック……漂う危機感。 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2014/06/07 14:00

ザンビア戦は“敗戦に近い”逆転勝利。本田、吉田、ザック……漂う危機感。<Number Web> photograph by Getty Images

「前の試合と同じ。先に失点したので課題が残りますね。まだビデオを見ていないので何とも言えないですけど……次までに修正しないと」。試合後、淡々とコメントした本田。

吉田、内田らも翻弄された相手選手のリーチの長さ。

 この時間帯はチーム全体がブラックアフリカン特有の身体能力に対して、間合いの部分で戸惑っていた。吉田麻也が言う。

「相手の攻め方というより、リーチの長さ。特に前半はボールをさらして奪われることが中盤で多かった。試合の入りで、テンポが悪いというのもあった。僕らの課題は良い試合をした後に悪い試合になってしまうこと。自分たちの持っている良さを高い平均値で出せない」

 太腿の負傷から復帰して3試合目の内田篤人はボールホルダーへの距離感をつかみかねるようだった。ブンデスリーガではフランク・リベリーにしっかり対応している。昨年のコンフェデレーションズ杯ではネイマールをじれさせもした。しかし、ザンビアには翻弄された。相手の先制点は内田の対応が外されてのものだった。

 岡崎慎司と相手GKの接触による流血もあり、不穏なムードがさらに広がった29分。今度は右CKからグラウンダーのクロスを入れるトリック的な形から2失点目を喫した。

 落ち着かない守備陣に“連動”するかのように、攻撃の歯車もなかなかかみ合わない。1トップの柿谷は何とか裏を取ろうとするが、瞬時の寄せにボールを収められず、前を向けない。前半のPK、そして後半の3得点と、どうにか帳尻を合わせた格好だが、勝ってもどこかスッキリしないのは全員共通の思いだ。

まるで負けたかのようにコメントしたザッケローニ監督。

 ザッケローニ監督は「このチームにはロジックがあり、そのロジックに従ってプレーすればより勝利に近づくし、ロジックに従ってプレーしなければより敗北につながる。今日は後者のゲームだった」と、まるで負けたかのようなコメントだ。

 仮想ギリシャという位置づけだった5月27日のキプロス戦(1-0)、仮想コロンビアだった6月2日のコスタリカ戦(3-1)に続く3連戦の最後となるザンビア戦。勝利という結果とは裏腹に、消していくはずだった不安要素はさほど解消されなかったというのが現実だ。

【次ページ】 攻撃面での手応えと、守備面での未解決問題。

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