フットボール“新語録”BACK NUMBER
「斜めのパス」とビルドアップ力。
ペップで知る、サッカーの新観戦術。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byAFLO
posted2014/03/31 10:30
グアルディオラ監督率いるバイエルン・ミュンヘンは、25日に行なわれたブンデスリーガ第27節でヘルタ・ベルリンを下し、史上最速で優勝を決めた。
「相手にとって縦方向のパスを守るのは簡単だ。 それに対して、斜め方向のショートパスは、 チームを前へ押し上げるのを助けてくれる」
ネマニャ・ビディッチ(マンチェスター・ユナイテッド)
先日、このコラムにおいてペップ・グアルディオラのバイエルンで行なっている練習を紹介した。主に伝えたのは「DFを置かないミニゲーム」や「ボールを奪われた瞬間のプレスを意識したミニゲーム」といったメニューだったが、その中でほんの少しだけ「ペップが『斜め』のパスを求めている」ことにも触れた。
激しいプレスがかかっている状態においては、「斜め」のパスを意識せよ――。そうペップが求めていると。
ただし、筆者の理解不足もあって、その内容を掘り下げることはなかった。「斜め」のパスが有効というのは漠然と理解できるのだが、理由をきちんと言語化することができなかったからだ。「斜め」のパスには、どんな効果をピッチにもたらすのだろう?
マンUのDFが語る「パスのつなぎ方」。
そんなことを考えてイギリスの指導者向けWEBサイト『Four Four Two Performance』を読んでいたところ、次のような記事を見つけた。
「プレッシャー下でのパス」というタイトルの短い記事で、マンチェスター・ユナイテッドのDFネマニャ・ビディッチが「いかに相手FWからのプレスをかいくぐって、パスをつなぐか」をアドバイスする企画だ。現代サッカーではDFラインに対しても激しくプレスがかけられるようになっており、その中でいかにビルドアップするかがDF陣にとっての大きなテーマだ。
ビディッチはこうアドバイスした。
「相手にとって縦方向のパスを守るのは簡単だ。それに対して、斜め方向のショートパスは、チームを前へ押し上げるのを助けてくれる」