ソチ五輪 雪と氷の情熱BACK NUMBER
世界10位から逆転でメダルへの挑戦。
スマイルジャパンの自信と野心。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byisifa/AFLO
posted2014/02/05 10:45
チェコとの強化試合に2連勝し、自信を深めたスマイルジャパン。キャプテン、大沢ちほもハードワークに自信を見せた。
21歳のリーダーが語る、逆転への武器とは。
キャプテンの大澤ちほも、「スピードとスタミナが私たちの持ち味です」と言う。21歳の若きチームリーダーは、チャンスメイクとスコアリングに長けた攻撃のキーマンでもある。
「相手を自由にプレーさせなければ、自分たちのペースに持ち込むことができる。最後まで走り続けて、最後まで諦めない試合をしていきます」
パックへの反応はもちろん、攻守の切り替えや判断のスピードにも磨きをかけた。組織力を高めながら、1対1のレベルアップにも取り組んできた。世界基準へステップアップしてきたチームは、昨年11月の5カ国対抗でランキング上位のスイスを撃破した。
スイスに加えてチェコ、スロバキア、ドイツを招いたこの大会では、日本だけが4日間連続でゲームを消化している。ソチ五輪を見据えて、連戦への耐性を高めるためだ。
初戦はスウェーデン戦。ロースコアに持ち込めるか。
9日に行なわれるグループラウンド初戦は、スウェーデンとの激突だ。2002年のソルトレイクで銅メダルを、2006年のトリノで銀メダルを獲得した強豪である。
最後に対戦したのは2011年8月で、日本は2-8で敗れている。しかし、飯塚監督は「当時より差は縮まっている」と手応えを口にする。
「3年前とはかなりメンバーが変わっているし、その影響か、スコアリングに苦しんでいる印象がある。ただ、ゴールキーパーが安定していて守備力は高い。スペシャルなことをやる必要はないが、3、4点取れることを計算できる相手でもない。勝つためにはロースコアの展開に持ち込む必要がある」
ゲームプランの核を成すのはフォアチェックだ。39歳の指揮官が続ける。
「パススピードがあり、リンクを広く使われるとなかなか捕らえきれない。相手がパックをどう動かすのかを読んで、1番手がフォアチェックを仕掛け、パックを自由にキープさせない」