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吉田麻也の“辛抱”はいつまで続く?
最少失点で波に乗るサウサンプトン。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2013/11/23 08:01

吉田麻也の“辛抱”はいつまで続く?最少失点で波に乗るサウサンプトン。<Number Web> photograph by Getty Images

9月24日リーグカップ、ブリストルシティ戦に臨む吉田(左)と李忠成。今季吉田の公式戦出場はリーグカップ戦2試合にとどまっている。

出遅れた吉田麻也は、苦悩の時期が続く。

 ロストボールへの対処は、前線から2人掛かりでのボール奪取が基本だ。同時に、周囲の味方がパスコースを塞ぎにかかる。時間とスペースを与えてもらえない相手からは、パスミスや苦し紛れのロングボールという形で、ポゼッションが自軍に戻ってくる。不断のハードワークを強いられるが、努力が試合結果で報われていることもあり、サウサンプトンのFW陣とMF陣は、プレッシングを楽しんでいるようにさえ見受けられる。

 もちろん、約13億円の移籍金を要した新CB、デヤン・ロブレンが守備の安定化に一役買っていることは間違いない。力強い守りで、昨季の最終ラインに不足していたリーダーシップを発揮すると共に、攻撃の起点にもなれるロブレンはサウサンプトンに打って付けの新戦力となった。

 そのクロアチア代表DFのパートナーになり損ねた吉田麻也は、つくづく、コンフェデ杯出場によるプレシーズン合流の遅れと、代表CBとしての低調が痛かった。結果的に相棒となったジョゼ・フォンテと吉田の間に、今季のリーグ戦先発数「11対0」のような実力差があるとは思えない。吉田は、昨季の第1CB。今季のフォンテにしても、常時出場で安定感を増しているという訳でもないのだ。

 フォンテは、むしろ4バック中最低の評価に終わる試合が目につく。第2節サンダーランド戦(1-1)では、メディアで軒並みロブレンを上回る評価を得たが、これは終了間際に決めた同点のヘディングを加味してのことだ。もっとも、CBコンビの変更は、GKと両SB、そして手前のボランチとの呼吸を乱す恐れがある。開幕から好調なチームにあって、ポチェッティーノが、敢えてフォンテと吉田を入れ替える理由はないというのが現実だ。

「欧州進出」の野望の陰には、苦汁をなめる功労者も。

 ポチェッティーノ就任時に「欧州進出」の野望を掲げ、今夏の補強に約56億円を投じたサウサンプトンでは、吉田の他にも、日陰に回った昨季残留の功労者はいる。例えば、MFのジャック・コーク。昨季は、モルガン・シュネイデルランとのダブルボランチで、リーグ戦28試合に先発したが、今季はベンチスタートに終始している。原因は、ビクター・ワニャマの加入。まだ22歳だが、セルティックでCLも経験済みの新ボランチが、ウェストブロムウィッチとの開幕戦(1-0)からチーム内最高の出来とあっては、24歳のコークもチャンス到来を待つしかない。

【次ページ】 「いわゆるビッグクラブ以外では最高」

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