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吉田麻也の“辛抱”はいつまで続く?
最少失点で波に乗るサウサンプトン。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2013/11/23 08:01

吉田麻也の“辛抱”はいつまで続く?最少失点で波に乗るサウサンプトン。<Number Web> photograph by Getty Images

9月24日リーグカップ、ブリストルシティ戦に臨む吉田(左)と李忠成。今季吉田の公式戦出場はリーグカップ戦2試合にとどまっている。

 イングランドの試合会場で、サポーターが零封勝利を祝うチャントと言えば、'90年代前半に北ロンドンの住民が盛んに歌った、「1-0でアーセナルの勝ち!」が真っ先に思い浮かぶ。

 だが今年は、同じ『ゴー・ウェスト』のメロディーに乗せて、南岸の市民が「2-0でサウサンプトンの勝ち!」と合唱しはじめても不思議ではない。

 プレミアリーグ復帰2年目のサウサンプトンは、9月後半のリーグカップ戦を皮切りに、「2-0」のスコアでホームゲーム4連勝を記録した。4試合目の第9節フルアム戦は、リーグ戦で既に6度目の無失点試合。翌週のストーク戦(1-1)も、相手GKのロングキックが、強風に煽られて直接ゴールとなる「事故」がなければ無失点だった。

 スタンドのファンは、先制すれば負ける気がしないだろう。「2-0」街道に乗る直前の第5節では、リーグ首位に立っていたリバプールから、アウェイで零封勝ち(1-0)を収めてもいる。失点が止まらなかった昨季序盤戦とは別人のようなチームは、失点数では20チーム中最少の5点、リーグ順位では堂々の3位という数字を残して、11月の代表ウィークを迎えた。

激しいプレッシングを続ける前線の大きな貢献。

 しかも、守備重視の集団ではないのだから、余計にその堅守が讃えられて然るべきだ。かつてのアーセナルは、ロングボールを駆使して奪ったリードを、4バックが、互いの体をロープで結んだ練習で磨いたオフサイドトラップで守り切っていた。その点、今季のサウサンプトンは、「攻撃は最大の防御」を地で行っている。

 今年1月の監督交代を機に、チームの攻撃姿勢に“ポゼッション・サッカー”という明確なテーマが加わった。昨季後半から指揮を執るマウリシオ・ポチェッティーノは、ラインを押し上げ、果敢な攻撃とボール奪取を信条とする監督。大前提となる激しいプレッシングの効果により、昨季終盤から失点数は減少方向にあった。

 堅守というと、一般的には4バックとGKの手柄のようだが、サウサンプトンの場合は、中盤以前の6名に守備陣が守られていると言って差し支えない。事実、1敗のみで乗り切った代表ウィーク入り前のリーグ戦11試合では、合計15得点ながら、攻守の切り替えが素早いウィンガー、アダム・ララーナを筆頭に、攻撃陣が国内各紙で好評価を受けている。

【次ページ】 出遅れた吉田麻也は、苦悩の時期が続く。

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