スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
デザイン、性能、音、打感……。すべてでゴルファーを圧倒する、ミズノのアイアンの魅力に迫る!
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph byNanae Suzuki
posted2013/08/29 06:00
素材、製法、技術にとことんこだわる!
奥山 MP-64の美しさの秘密はわかりました。他に、初心者の僕でもはっきりとわかるような、MP-64の凄いトコロを教えてください。
高 まず素材だな。ミズノのアイアンは高品質な炭素鋼(S25C)を使用していることで定評があるんだけど、さらにリンや硫黄といった有害な不純物をJIS規格の約50%に抑えたS25CMを使用しているんだ。
奥山 ふむふむ。すると素材の組織がより緻密な構造になるってワケですね。
高 おっ、わかってるじゃん。だから、打ったときに澄んだ音が長く響くんだよ。で、次が製法だ。一般的な軟鉄鍛造アイアンの場合、フェイス部とネック部を別々に作って溶接でつなぐことが多いんだけど、ミズノはその2つが一体になった「グレインフローフォージド製法」を採用。軟鉄鍛造の生命線である“鍛流線”が途切れないからこそ、特有のフィーリングが生まれるんだ。
奥山 打ったときに衝撃が加わるフェイス~ネックが一体化しているから、剛性も優れているってワケですね。
高 そのとおり。また、ミズノはアイアンの音色を、コンピューター解析によって数十ヘルツ単位でチューニングしているんだ。
奥山 ひゃ~、凄い凝りよう。さらに、熟練の職人が美しく仕上げるワケですね。ハイテクと職人技の融合が、MP-64のハイパフォーマンスの秘密なんですね。
初心者も上級者も納得の「ダイアモンドマッスル」に注目。
奥山 あの~、MP-64のことを長々と解説していただいた後に今更なんですが、このクラブって僕には難しくないですかね? 初心者にはヘッド下部がド~ンと太くて、裏がボコッとえぐれているアイアンが良いって、以前、誰かに言われたんですけど。このMP-64はヘッドが小さくて薄くて、ちっとも「ド~ン」でもないし「ボコッ」でもないですよね!?
高 ド~ン? ボコッ? ああ、おそらくキャビティのことを言ってるんだね(苦笑)。確かにキャビティタイプのアイアンは、重心が低いからボールを打ち上げやすいし、またスイートスポットが広いからボールが左右にブレることも少ない。その正反対と言ってもいいのがマッスルバックだ。重心は高いうえにスイートスポットは低いから、しっかりと正しいフォームで打たないとボールは真っ直ぐキレイに飛ばないんだよ。