マッスルバックとキャビティの良いトコ取り。

奥山   ええ～、んじゃあ、断然キャビティが良いに決まってるじゃないッスか！

高  バッカだなぁ。このMP-64は「ニューダイアモンドマッスル」と言って、マッスルバックとキャビティの良いトコ取りなんだ。ま、ハーフキャビティって言ってもいいかもしれないけど、ヒッティングポイント付近が肉厚になっているから、マッスルバックよりもボールを捉えやすいんだよ。

奥山   う～む、そう言われても、より簡単に打てるキャビティに惹かれるんですけど……。

高  ミズノのアイアン＝上級者向けというイメージは、確かにある。ルーク・ドナルドが監修したMP-64はその最たるモノだな。優しいクラブのようなコントロールデバイスがないぶん、打球の方向性やスピン量を自在にコントロールできるのが魅力だ。つべこべ言わず、まずは打ってみなって！

打って快感、眺めて満足。所有することが嬉しいMP-64。

奥山   だ～か～ら～っ、僕はもともと打球の方向が定まらないし、スピンなんてかからないんですから…（と文句を言いつつ、パキ～ンと試打する）…あれっ、思ったより真っ直ぐ飛ぶぞ。（さらにパキ～ンと試打）…ん、ちょっとスライスか…（パキ～ン）…おっと今度はフック気味。ボールのブレは明らかに僕のスキル不足だな。それにしても、ボールが少しくらい曲がっても、打った感じは凄く気持ちいいゾ。なにより、音がキレイですね。ジャストミートできれば、もっと澄んだ音になるのかな。

高  そうそう！　打ったときの手応えの気持ち良さや、チ～ンと響く音の快感とかは、スキルのレベルとは無関係だろ!?　いや、むしろ初心者こそ“気持ちいい”って感じは大切だ。気持ちが良ければスイングする気が起きて、どんどん上達するじゃないか！

奥山   むむ、ナンか、説得されそうでヤバい。

高  そもそもこのカタチを見ろよ。美しいだろ!?　これだけで買った甲斐があるってもんだ。この「スポーツはカタチから入る方なんです」の主旨を全うするなら、打ちやすさよりも見た目の美しさを優先すべきなんじゃないの？

奥山   そうですね～。MP-64ならゴルフ場で「ムムッ、こいつデキるな」と思われそうですし……。いや、待てよ、MP-64でミスショットばかりしてたら、かえって恥ずかしいじゃないですか。

高  そんなときは「う～む、まだパワーフェードは無理だな。MP-64では」とか、「俺にはダウンブローは合わないな。特にMP-64では」とつぶやけばいいんだよ。

奥山   最後にMP-64って言い足すのがポイントですね。よし、早速、来月のファッション業界のコンペに、MP-64で出るぞ～。高さんも一緒に出ましょう！

高  いや、俺なんか、7番アイアンのネックの美しい曲線を見ながら、スコッチウィスキーを呑むだけで満足だもんね。

奥山   がっかり。