スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
リーグ改編と厄介な日程。
~MLB球団を悩ませる“意外な敵”~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2013/02/08 10:40
タイガースの名将リーランド監督の頭も痛い?
野球がまだ遠い。外は雪だし、開幕まではまだ50日以上ある。今年はWBCが開かれるので通常よりも早く渇きを癒すことができるのだが、2月上旬はやはり野球に対する飢えがつのる。春よ、来い。
というわけで、私はこのところしばらく、2013年大リーグのレギュラーシーズン日程表を眺めている。もちろん毎年眺めるのだが、今年はちょっと事情が異なる。アストロズがナ・リーグ中地区からア・リーグ西地区に引っ越して、両リーグとも15チームずつを擁することになったからだ。
そのことは、以前にも述べた。各地区が5チームずつになって、「見たとこ平等」が実現されたことや、「ほぼ毎日」インターリーグの試合(交流戦)が行われることにも触れた記憶がある。
しかし、実際に日程表を見ていると、首をかしげたくなることが多い。これは……と絶句しそうになることもある。大丈夫だろうか、大リーグ。1リーグ15チームのフォーマットにして、本当によかったのだろうか。
交流戦の日程は、圧倒的にア・リーグに不利では?
いうまでもないことだが、大リーグの年間総試合数は2430ゲームにのぼる。30球団がそれぞれ162試合を戦うのだから、こんな計算は小学生でもできる。ただ、ナ・リーグとア・リーグとではルールがちがう。
わけても大変なのは、ア・リーグの投手だろう。ナ・リーグの球場で交流戦が行われるとき、ア・リーグの投手は打って走らなければならない。去年まではこれが短期集中型だった。一定期間、まとめて不馴れな作業に精を出し、あとは10月のポストシーズンに備える、というパターンでしのぐことができたわけだ。
ところが今年は、忘れたころに交流戦がやってくる。