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リーグ改編と厄介な日程。
~MLB球団を悩ませる“意外な敵”~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2013/02/08 10:40
タイガースの名将リーランド監督の頭も痛い?
ア・リーグ王者のタイガースは、ほぼ毎月交流戦が!!
たとえば、2012年のア・リーグ覇者タイガースの日程を見ると、これがなかなか苦しい。
4月末、5月末、7月末、8月末、9月末。6月を除いて、毎月月末になると交流戦が予定されているのだ。
なかでも苦しいのは9月末だろう。
よほどの独走状態に入らぬかぎり、この時期のタイガースは地区優勝争いにしのぎを削り、息を荒くしていると見るのが妥当なところだ。ところが、そんな時期になっても、エースのジャスティン・ヴァーランダーは打ったり走ったりしなければならないし、DHの切り札ヴィクター・マルティネスはベンチに坐っていなければならないのだ。
名将ジム・リーランドも、いまから頭が痛いのではないか。
東海岸と西海岸の時差によるハンデもシビアな問題に。
交流戦以外にも、面倒な日程は存在する。2012年のワールドシリーズを制したジャイアンツは、これまた9月に苛酷な日程を用意されているのだ。
こちらの敵は時差である。
ジャイアンツは9月12日からロサンジェルスでドジャースと4連戦を行ったあと、ニューヨークに飛んでメッツと3連戦、ヤンキースとも3連戦をこなさなければならない。これが9月17日から22日まで。さらにそのあと、ジャイアンツは本拠地サンフランシスコで宿敵ドジャースを迎え撃つ必要がある。
それなのにニューヨークでは、デイゲームが2試合も挟まっている。試合開始時刻は、西海岸に置き換えると午前10時。これはきびしい。22日に午前10時から戦って、24日には午後7時が試合開始。シーズン終盤になれば疲労も蓄積しているだけに、体調の維持は容易ではない。
それにひきかえ、今季、戦力を増強させたドジャースの9月は対照的だ。
ジャイアンツとの2度にわたる直接対決の間は、アリゾナで4連戦、サンディエゴで3連戦となる。どちらも苦しい相手ではなく、どちらも時差がないだけに、コンディショニングの調整はずっと楽なはずだ。