自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER

色々あるけど、でもやはり……
“自転車シティ”宇都宮に学べ! 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

PROFILE

photograph bySatoshi Hikita

posted2012/10/31 06:00

色々あるけど、でもやはり……“自転車シティ”宇都宮に学べ!<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

戦後間もなくから餃子が流行っていたという宇都宮。浜松との“餃子戦争”は、昨年の東日本大震災後に和解。浜松の祭りに宇都宮の餃子店が出店するほどに仲良くなった。

宇都宮の自転車シティの本質は郊外にあった?

 まずは宇都宮駅にほど近い「宮サイクルステーション」に顔を出した。ここは駅前巨大駐輪場(すごい!)に隣接する、自転車のインフォメーションセンターで、この日は、自転車ナビの紹介などをしていた。

 私はここで「というわけで、郊外の“自転車レーン”を教えてちょ」と言い「しからば、ここから北東へ」などと教えてもらい、今泉地区、越戸地区へ向かっていった。

 ふむ、なるほど。走っているとほどなく車道上のブルーレーンが敷かれるようになり、そこにきっぱりと「自転車専用」という文字が書かれるようになる。

【写真上】 「走れば愉快だ宇都宮」というキャッチフレーズが掲げられる「宮サイクルステーション」。
【写真下】 越戸通りは、とにかく自転車で通行しやすい。一方通行かつ、ガードレールなどで区画されていないのがその大きな理由である。

 そうか。私もかつてここを走った。ここが日本の中でも「元祖・自転車レーン」ともいうべき、越戸通りなのだ。

 ここは栃木県警宇都宮東署に近く、工業地域に面する通りなんだけど、車道の左端にきっぱりと青いゾーンが敷かれ、そこを自転車は左側一方通行で走るという構造になっている。

 なんのことはない、アムステルダムやコペンハーゲンなどで普通にやっている「自転車レーン」なわけだ。普通の「文法通りの自転車レーン」。しかし、これがやはり走りやすい。

 おまけに、この越戸通りに関しては、宇都宮大学大学院の森本教授の調査で「自転車レーン設置後に、自転車事故が約4割減った」という結果が出ている。

 欧米の例などいうに及ばず、実績はすでにあるのである。全国の自転車通行帯整備の基本は、ここをモデルに考えるべきなのだ。

 見通しもいいし、クルマの車線も広いから、きちんと車道のシェアができている。また宇都宮の美点の一つは、路上駐車が東京に較べると非常に少ないところでもある。こういうところはドライバーのモラルなのか、それとも民地に駐車スペースが多いからということなのか。いずれにせよ、違法駐車がないのは好ましい。これが東京だと、あっという間に自転車レーンは体のいい「駐車場」と化してしまうからね。

 しかし、いいね、宇都宮の郊外は。道幅が広く、路肩が広いから、ブルーゾーンがなくなったって、自転車で走りやすい。また工業地域なのに緑が多いのも美点のひとつだ。

 それとあとひとつ。宇都宮は、平べったいのが実に自転車向きである。特に初心者向き。自転車を走らせるのに、なんらストレスを感じない。

 なるほど、ここは確かに「自転車のまち」である。

ヤンキー&ファンシーは北関東に育ち、そして全国へ広がるのだ。

ヤマダ電機とコジマ。郊外ロードサイドの風景として、もっとも典型的な日本の風景である。

 しばらく工業地域を走り、ふたたび街中に帰ってくると、その途中に「ヤマダ電機宇都宮本店」という巨大店舗があって、ほど近くに「コジマ」があった。ながらく家電量販日本一に君臨してきたコジマは、この宇都宮が本社発祥の地なのである。

 このコジマに限らず、家電量販店大手は、この北関東が発祥の地であることが多い。現在のトップ(ダントツの)ヤマダは群馬県高崎市、ケーズデンキも茨城県水戸市である。

 クルマ社会に順応した、ロードサイド店のノウハウが、家電量販の手法自体を変えたといわれている。そうそう、それで思い出したんだけど、この北関東という地域って「地方モデルの発信源」だと思うのだ。

【次ページ】 都会でもなくド田舎でもない「北関東文化」圏。

BACK 1 2 3 4 5 NEXT

この記事にコメントする

利用規約を遵守の上、ご投稿ください。

他競技の前後のコラム

ページトップ