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色々あるけど、でもやはり……
“自転車シティ”宇都宮に学べ! 

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疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2012/10/31 06:00

色々あるけど、でもやはり……“自転車シティ”宇都宮に学べ!<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

戦後間もなくから餃子が流行っていたという宇都宮。浜松との“餃子戦争”は、昨年の東日本大震災後に和解。浜松の祭りに宇都宮の餃子店が出店するほどに仲良くなった。

都会でもなくド田舎でもない「北関東文化」圏。

 特にこれといった大都市はない。平べったく続く、ぼんやり渾然一体となった、住宅地、農地、商業地、工業地……。でありながら、首都圏からはそんなに遠くない。

 つまり、都会ではないが、かといって、ド田舎でもない。そこに「北関東文化」は育った。

 これを言ったら、地元の人は怒るかも知れないけれど、全国の「ヤンキー(夜露死苦なテイスト)」と「ファンシー(ご当地キティちゃんなテイスト)」の文化は、いずれも北関東の若者の好みにピッタリ一致していると思う。

 その証拠に(というべきなのか?)茨城栃木群馬を走る自動車のダッシュボードぬいぐるみ率は他を圧して高いと思う。これは単に「ヒキタ調べ」ではあるが、そういう傾向を否定する人は少ないと思う。

 故ナンシー関女史の本で広く知られるようになったのだが、日本の若者文化は、おおむねヤンキーとファンシーでできている。北関東は、そうした文化の総本山と言っていい。

宇都宮を本拠地とする元気寿司株式会社は、東証一部上場の一流企業でもある。

 そう思うと、日本のサブカルチャー、大衆文化の原点は、この北関東にあると思ってもおかしくないのだ。これ結構、本気でね。

 そうそう、宇都宮発祥の全国チェーンのひとつに、もうひとつ、回転寿司の「元気寿司」というのがある。以前、江東区南砂に住んでいた私は割合このチェーンが贔屓なんだが(南砂にはここの傘下の“すしおんど”ってヤツがあったから)、この元気寿司のロゴマークや、ノリが、なんとなくヤンチャでコケティッシュだ。「スシロー」「かっぱ寿司」「くら寿司」の大手3社に較べると、なんつーか、圧倒的に宇都宮的。私は好きだな。

東武宇都宮駅に漂う“地元愛”の雰囲気を堪能する。

 さて、その元気寿司の宇都宮一号店(本店みたいなものか?)はオリオン通り出口近くにある。私はそこまで戻ってきて、当然そこで寿司を食った。旨うござった。

 そのすぐ近くに「東武宇都宮駅」がある。

 なるほどいいね、東武線、ここまできてるんだ。自転車を降りて、レトロな階段を上り、改札の近くまで行くと、ますますいい。このレトロぶりがさすがは東武鉄道だぞ。

 時刻表を見ると、東武宇都宮線1時間に3本。けっこう出てるじゃん。

 私は総じて言って、地方都市の「JR以外の鉄道」を見るのが好きだ。私の故郷・宮崎県に私鉄線が一本もなく、国鉄以外(当時は国鉄でした)にあこがれがあるというのもさることながら、地元の私鉄には、間違いなく、地元の生活が透けて見えるからだ。

 JRは全国ネットだから、どんなところでも「通過点のひとつ」という側面を持っている。だが、ことが地元私鉄の場合、駅はワンアンドオンリー、路線だってワンアンドオンリー。だから、それぞれの駅には、それぞれの街ごとの工夫があったりする。

上毛電鉄の車内風景。日常生活から旅行での利用まで、便利で楽しい自転車生活が味わえる「サイクルトレイン」。

 特に北関東は、この東武鉄道(関東最大の私鉄線だ)以外にも、上信電鉄、上毛電鉄、関東鉄道、などが、それぞれの路線、それぞれの駅を作っていて、実に味わい深い。上毛電鉄(群馬)など「自転車(そのまま)載せてもOKよん」という方式を随分前からやっていて、乗るともう地元オバちゃんのママチャリだらけ、という、じつにフレンドリーで味わい深い風景を現出している。

 なにより、地元私鉄には「我が町は地元の中核」とでもいうべき誇りのようなものが感じられていい。

 というわけで、今回はここでブロンプトンをたたむことにする。帰りは東武特急「きぬ」(栃木乗り換え)で浅草まで。

 そりゃ新幹線よりは遅いけど、列車の中で読むミステリー小説もさっきオリオン通りで買ったからね。極上の2時間。しかも安い。というわけで、また来ます、宇都宮。

餃子を食べまくるだけではなく、講演会の仕事もしたのです。 「バイコロジーシンポジウム」主催の講演「自転車とまちづくりについて」での雄姿を見よ!

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