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成功と言える1年目だが不安材料も。
ダルビッシュが克服すべき課題とは?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAFLO
posted2012/10/14 08:02
今季最後の試合となったワイルドカードゲームで、ワシントン監督から交代を言い渡されるダルビッシュ。
「明るいキャリア」は制球力の精度にかかっている!
松坂は2年目以降に四球数が悪化した。それはいま振り返れば、以後の松坂の苦闘を示す不吉なサインだったのだ。2年目のシーズンは18勝3敗と素晴らしい成績をおさめていたのだが、内容が伴っていないという評価だった。それは与四球が多いからで、その原因としては“メカニック”、つまり投球フォームになにか問題が芽生えていたのではないかとされている。
ダルビッシュは、北海道日本ハムでの最終シーズン、2011年には232イニングを投げて、与えた四球はわずか36個だけだった。9イニングあたり1.4個にも満たない数字である。それがおよそ3倍にまで増えてしまったのだ。
何か問題があるのだ。
使用球? マウンド? それとも捕手との相性?
ダルビッシュが2年目以降、そうした問題を解決し、うまく適応していけば与四球の数は間違いなく減り、それが「明るいキャリア」につながるはずなのだ。
ダルビッシュが黒田のように息の長い活躍が出来るかどうかは、来季の制球力、そしてその結果としての投球回数に表れるだろう。