自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER
神田川に沿って“東京横断旅行”。
フォークソングの銭湯は、今も健在か?
text by
疋田智Satoshi Hikita
photograph bySatoshi Hikita
posted2010/05/14 06:00
ヒキタの自転車ツーリングに神・仏のご縁?
おー、出た。インド風というべきか、アタマに幾つものパゴダを載っけた、大建築物を目の前に発見する。これこそが、かの巨大新宗教・立正佼成会の大聖堂なのである。
霊友会から枝分かれした日蓮宗系。もちろん件の日本最大の宗教団体、創価学会も日蓮宗系で、日蓮さんはかくもたくさん新宗教の種をこの国にまいたのだ。
おや、近くを見ると「佼成学園中学・高校」やら「佼成病院」などが近くにあって、この地区は、ちょっとした「立正佼成会村」になっているのだ。実は普門館だって立正佼成会の施設。
ふーむ、偶然ながら、つい先日、天理で「天理教」、野田で「霊波之光教団」の近くを自転車で走ってきたこともあって、このところ、私ヒキタの自転車ツーリング、なんだか勝手に宗教づいてる感じがしてるんだけど(なんでだ?)、ま、私はそんなに嫌いじゃないよ。
それどころか、オウム事件以来というもの「宗教=胡散臭いもの・邪悪なもの」のようなイメージが、若者を中心に敷衍しすぎてて、あらゆる宗教の信者が、少々かわいそうなくらいに感じている。
自転車には適正スピードというものがありまして……。
さて、神田川に帰ろう。
このあたりから、神田川は一直線に都心に向かうような格好となり、その行き先に、都庁の巨大な姿が見えてくる。あっちの方向が新宿。格好のランドマークだね。
ところが、中野区の管轄なのか、新宿区なのか、自転車乗りにとっては少々困ってしまうのが、頻繁に現れる「車止め」なのだ。
オートバイの進入を阻止しようというのだろうけれど、おそらくそれだけじゃない。自転車のスピードを極力落とさせる、というのも、車止めが設置された理由の一つだ。
しかし、あまりに頻繁に現れるので、自転車で走るのが正直、いやになってしまう。自転車には自転車の適正スピードというものがあって、行政もそのあたりを考えて欲しいものだと思う。
私などに言わせれば、そもそも自転車と歩行者を同じスペースに押し込めている方がヘンなのでありまして、自転車と歩行者はスピードが違うのである。せっかく神田川の両端に通路があるんだから、片方を歩道、もう片方を自転車道、とするなど、色々なアプローチが考えられると思うのだけど、いかがなものだろうか。
さて、環七、山手通り(環状六号線)と、二つの環状線を越え、しばらく行くと、そこはもう新宿区、いよいよ都心だ。
神田川がらみで言うと、落合水再生センターというのが川沿いにあって、立て札がこう語っている。
「この河川には下記のように埋設物があります。埋設物の種類、下水道管1800mm」
つまり神田川の川底のさらに下には直径1.8メートルもの下水道管があり、我々が使った下水が流れているわけだ。
汚い水は神田川のさらに地下のみをどうぞ。神田川自体は高度再生処理を施した水のみ流れることを許される。神田川は「溝川」どころか、ハイパー清流だったのだね。
お、西武線だ。なんか黄色い車体が懐かしいね。そろそろ高田馬場に向かうのかな?