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“本気のオーストラリア”とどう戦う?
敵地決戦で日本代表に必要なこと。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2012/06/11 12:20
前田遼一、本田圭佑(3得点)、香川真司、栗原勇蔵らによる計6得点のゴールラッシュとなったヨルダン戦。これまでホームでの2試合で快進撃を見せたザックジャパンだが、6月12日、“最大のライバル”オーストラリア戦は初のアウェーでの戦いとなる。
豪州戦は、アウェーとはいっても状況は日本有利?
6-0のゲームにケチをつける必要はない。
守備に関しても前線からチェックが出来ていた。センターバック2枚が交代してラインが下がり、ややコンパクトさに欠けたときに一瞬、ヨルダンの時間帯となったのは反省材料だとしても、後半の「一時のたるみ」よりも前半に試合を決めた「気概」を買いたい。
しかし、ハットトリックを達成した本田はまだまだ内容に満足していなかった。
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「外している場面も多いし、自分自身、余裕はまだまだ足りない。チームとしてもそうだし、だからこそまだまだ伸びしろがあると思う。アグレッシブに攻められていることやチャレンジの気持ちは素晴らしいと思うが、でもまだ分からない。次のオーストラリア戦が大事」
さて、12日のアウェー、オーストラリア戦である。
ホームで2連勝、それも計9得点、無失点という最高のスタートを切った日本に対して、オーストラリアは初戦のオマーン戦(8日、アウェー)で気温43度という過酷なコンディションのなかで0-0の引き分けという結果に終わった。なお決戦地のブリスベンには日本がチャーター機で9日中に到着し、時差も1時間に過ぎない。対照的にオーストラリアは中東から10日朝に帰国し、時差との戦いも待っているというわけだ。アウェーとはいっても日本有利の状況に見えなくもない。
“日本キラー”ケーヒルらが復帰するオーストラリアの怖さ。
一方で逆の見え方もある。
オーストラリアにとってホームで日本に負けることは許されない。本気のオーストラリアが待っているはずである。温存した“日本キラー”ティム・ケーヒル、長身のジョシュア・ケネディも先発に戻ってくるはず。追い込まれているオーストラリアは正直怖い。
試合会場となるサンコープスタジアムは、9日にラグビーの試合が開催されたばかりで、ピッチコンディションが良くないという。ザックジャパンの持ち味であるスピーディーなパスサッカーをホーム戦のように展開するのは難しいかもしれないが、臨機応変に対応できる力が今のチームにはある。
「この2試合で見せたような高いリズムと高い精度でやってくれたら、オーストラリアのみならず、どことやっても互角に渡り合えると思う」とはアルベルト・ザッケローニ監督。
オーストラリアが相手だからといって戦い方を変える考えはない。引き分けでいいというような考えもないように見える。リスクマネジメントを図りながらも、あくまで勝ち点3にこだわっていくつもりだ。