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<Number Do的ベスト10決定!> 本当に満足するマラソン大会の条件。【前編】
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byNaoya Sanuki
posted2012/03/30 06:01
一大チャリティイベントとしてのマラソン大会。
――辰巳さんは世界中のマラソン大会で、カメラを持って走ってるんですよね。
辰巳 本職は通信社の記者なんですが、もうひとつの肩書きが「走るマラソンカメラマン」(笑)。海外赴任で世界の大都市のマラソン大会を走るようになって、町中が一体になる「お祭りとしてのマラソン」が大好きになったんです。たまたま、東京の歩道でマラソンをやってみようという「東京夢舞いマラソン」の立ち上げの取材をしまして、その時にビデオカメラを持って走ったのがきっかけです。それからは世界各地でカメラを持って走ってます。
――「お祭りマラソン」の成功の条件ってなんでしょう。
辰巳 まずは谷川さんのようなエリートの人も、障害者の人でも走れること。それに加えて、ボランティアの人がいて、応援する人たちも楽しむ。三者が一体になっていかに盛り上がれるか、それが私の基準になっています。
谷川 海外の大会は、歴史が長いぶん成熟している雰囲気がありますよね。
辰巳 海外の大会は一大チャリティイベントになってますね。たとえば、ロンドンだと野生動物の保護だったら、動物の恰好をして走る。沿道で白血病の患者さんが応援しているのを見た時はグッと来ました。昨年から東京がチャリティランナーを募集していますが、ロンドンマラソンの影響でしょう。
谷川 ロンドンはチャリティ金額が多い人ほど、走れる確率が高くなるらしいですよ。
森村 ベルリンは町中を走るので、住んでいる人たちがすごい声援を送ってくれます。
――海外も参加賞はもらえるんですか?
辰巳 もらえます。大きなメダルが。その点、東京は小さい。参加賞だって国の顔なんだから、手を抜くなよって言いたいんですけど。
――谷川さんが'91年に東京国際女子で優勝した時の賞品って何だったんですか。
谷川 七宝焼の絵皿かな。日本の都市型のマラソンはカップやメダルが多くて、正直、かさばるの(笑)。飾るのも、しまうのも大変ですよね。唯一、実用的だったのが資生堂のいちばん高い高級化粧品。
――それって、谷川さんの所属企業だったじゃないですか。
谷川 そうなんです(笑)。