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<Number Do的ベスト10決定!> 本当に満足するマラソン大会の条件。【前編】
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byNaoya Sanuki
posted2012/03/30 06:01
しかしどの大会が本当に面白いのか初心者にはイマイチ分からない。
そこで、プロランナー・谷川真理さんをはじめ、
多くの出走経験を持つランナー4人を緊急招集。
日本の大会を知りつくす辛口審査員4人が、自らの経験をもとに本気で語り、
「このマラソン大会がすごい!」第1回チャンピオンを決定する!
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――今日は数ある大会のなかでどのマラソン大会がいちばん満足度が高いのか、ナンバー1を決めたいと思います。その前にまずは満足度の高いマラソン大会とは何なのか、みなさん、ざっくばらんにお話しいただけますか?
谷川 今日のテーマはむずかしいな。ランナーのみなさんはそれぞれ楽しみ方や、目指しているものが違いますからね。記録にこだわるなら平坦で距離表示がしっかりしているところがいいだろうし、楽しさを優先させるなら記念品やエイドが充実している大会の評価が上がるでしょうから。
――谷川さんは「谷川真理ハーフマラソン」を主催していますが、運営側としてどんな部分に留意されていますか。
谷川 コースが河川敷なので、水道がないんです。だから、ランナーの方々にはゴール後に温かいおしぼりを手渡してスッキリしてもらえるようにしています。それと食事。豚汁やお汁粉といったサービスを用意しておくのは、大切な「おもてなし」でしょう。
森村 私はもう若い頃のように記録で満足することは少ないので、長い距離を走る達成感を重視します。だから100kmを走るウルトラマラソンが好きなんです。
大櫛 100kmも走るなんて想像できない。
森村 長ければ長いほど、美しい景色を楽しむことが出来るんですよ。サロマ湖やしまなみ海道は感動的な景色が続きます。距離が長いとエイドが重要ですが、私は地のものや、面白いものが好きです。山口100萩往還マラニックのふぐとか、能登半島すずウルトラマラソンの27km地点には牡蠣鍋があるんですよ。
――レース中に鍋を食べるんですか!?
森村 寒い時に食べる牡蠣鍋は美味しいです。
大櫛 ご当地ものは、いいですよね。別海町パイロットマラソンでは鮭を一匹もらえるらしいし、富里スイカロードレースではスイカが食べ放題って聞きました。
谷川 「給スイカ所」っていうんですよ。ものすごく人気のある大会。
大櫛 だから、すぐに埋まっちゃう。私はしっかり練習を積んで、自己ベストを更新できるのが一番うれしい。その意味では平坦で、気温や風が穏やかな大会が好きです。