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今季来日した助っ人外国人選手達。
日本球界にある“独特の洗礼”とは? 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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posted2012/02/28 10:30

今季来日した助っ人外国人選手達。日本球界にある“独特の洗礼”とは?<Number Web> photograph by KYODO

ソフトバンク入りしたペーニャは、その入団会見で「自分の名前が全米に知られたのは飛距離のおかげ。昨年も150メートル以上は飛ばしたよ」と本塁打王に向けてアピール

 今季から新加入する外国人選手は、投手10名、野手10名の計20名(2月27日現在)。当然のことながら、チームの救世主として期待され入団したわけだが、昨今の傾向を見ると投手のほうが活躍する確率が高い。

 というのも、先発からリリーフに転向したシコースキー(元ロッテほか)やラズナー(楽天)、リリーフから先発に移ったウルフ(日本ハム)のように、役割が変わったことで真価を発揮する選手が多いからだ。

 その点、打者はというと、長打力を求められることが前提にあり、小技や守備重視で補強をしていないことから、日本に来たからといってそれまでのプレースタイルが劇的に変化することはまずない。そのためか、近年ではカブレラ(ソフトバンク)やラミレス(DeNA)といったように、日本球界で確かな実績を残している選手を獲得するケースが目立つ。

新外国人選手の年俸=過去の実績と日本球界での期待値。

 ただ、「日本での実績=高年俸」と解釈するのであれば、そこばかりに頼ることもできない。だからこそ、彼らほど年俸が高くなく、かつ強力なセールスポイントがある外国人を新たに獲得するのだ。

 今季入団の野手は、パ・リーグではソフトバンクのペーニャに西武のカーターとヘルマン、オリックスのイ・デホ、楽天のテレーロ。セ・リーグは中日のディアス、巨人のボウカー、ヤクルトのミレッジ、広島のスタビノア、DeNAのサラサーの計10名。ほとんどの選手の年俸が5000万円(推定)前後だが、うち3名は高年俸だ。それはイコール、期待値の表われでもある。

 2億5000万円という破格の年俸で契約したオリックスのイ・デホは、韓国球界で三冠王を2度獲得し、通算本塁打は216本と実績も十分。2008年の北京五輪や翌年の第2回WBCでも中軸として結果を残した、日本でもお馴染みの選手だ。

 次に高いのは1億4000万円のペーニャだ。メジャー通算84本塁打を誇る大砲で、キャンプ初日のフリー打撃ではいきなり150メートル弾を放つなど柵越えを連発し、首脳陣の度肝を抜いた。

 巨人のボウカーは6000万円と比較的安く、メジャー通算打率2割3分2厘、17本塁打と前出のふたりに比べると実績は劣るが、ミートセンスや外野守備にも定評があり、ラミレスの後釜として注目を浴びている。21日の楽天との練習試合では2安打1本塁打と、早くも前評判通りの力を披露した。

【次ページ】 日本野球独特のスタイルへの順応が成功の秘訣。

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