なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
なでしこジャパンが再び世界と対決。
アルガルベカップでは勝利を捨てろ!?
text by
河崎三行Sangyo Kawasaki
photograph byAkihiro Sugimoto/AFLO SPORT
posted2012/02/28 10:31
2010年にもなでしこジャパンに招集されていた木龍七瀬。昨年のワールドカップ出場こそならなかったが、それに比肩する五輪出場を果たしてリベンジなるか
W杯メンバーに割って入る復帰組と新加入選手たち。
ロンドン五輪での選手登録人数は18名。W杯時よりさらに絞り込まれるわけだから、常識的に考えれば新たな選手がメンバー入りする確率はそう高くない。しかし、昨年の世界制覇によってなでしこのサッカーは各国から研究されている。更なるチーム力の上積みがなければ、女子サッカー史上初のW杯-五輪連覇は難しい。
アルガルベカップの期間を通して可能性あるタレントを見極め、4月以降の親善試合で試しながら、最終的な五輪メンバー決定までは誰が選ばれるかわからないといった競争状態を維持したいところだ。
昨年の女子W杯出場メンバー以外で今回代表入りした選手の中では、久々に返り咲いたMF木龍七瀬(日テレ)の存在が面白いのではないか。
日本では数少ない、爆発的なスピードで相手を振り切れる選手。彼女の突破力が欧米の強国相手に通用すれば、日本のサイドアタッカー争いに一躍名乗りを上げるかもしれない。
返り咲きといえば、和歌山キャンプの紅白戦では中盤の攻撃的な役割を任されていたMF伊藤香菜子(日テレ)も、技巧派レフティーとしていぶし銀的な存在感を放っている。
注目のルーキーFW京川舞(常盤木学園)だが、“大人の欧米選手”にどれほど彼女のプレーが通用するかを試すには、今回の遠征は良い機会となるだろう。
喧噪とは無縁な環境で練習に集中できる貴重な機会。
そしてもちろん、戦力アップには選手の組み合わせの変化だけでなく、各国の日本対策を凌駕できるだけの戦術的な進化も欠かせない。
そのためには集中できる環境で徹底したトレーニングを行いたいところだが、昨夏以降のなでしこブームの中、今や日本のどこで合宿を行っても多くのファンが殺到する現実がある。女子サッカー普及には必要な施策であろうが、常に衆人環視の状態の中ではどうしても選手の気が散ってしまう。
この点、ポルトガルでは喧噪と無縁の状態でトレーニングを積める。しかも、国内組と海外組が互いの息を合わせられる貴重な機会でもあるのだ。
昨年のアルガルベカップでは試合日以外にも他組の国と精力的に親善マッチを行い、ほぼ毎日実戦をこなしたなでしこだったが、今回については佐々木監督自ら、
「テーマを持った戦術練習にしっかり時間を割きたい」
と、語っている。