なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
なでしこジャパンが再び世界と対決。
アルガルベカップでは勝利を捨てろ!?
text by
河崎三行Sangyo Kawasaki
photograph byAkihiro Sugimoto/AFLO SPORT
posted2012/02/28 10:31
2010年にもなでしこジャパンに招集されていた木龍七瀬。昨年のワールドカップ出場こそならなかったが、それに比肩する五輪出場を果たしてリベンジなるか
W杯後の女子サッカー勢力図を確認する大会だが……。
メディアの中には、グループリーグのアメリカ戦や最終日に実現するかもしれないドイツ戦を指して『W杯の再現』などと煽る向きもあるようだ。
アメリカは先の五輪北中米予選でFWモーガンが大活躍し、また大卒新人FWのラルーが鮮烈なデビューを飾るなど、昨年のW杯からさらに攻撃力を増している。またドイツはロンドン五輪出場を逃したことを奇貨として2015年カナダ女子W杯を見据え、一気にチームを若返らせた。昨年と様変わりしたライバル国との勝負の帰趨は、たしかに興味の尽きないところではあろう。
だがアメリカやドイツに勝ったからといってロンドンでのメダルが見えるわけでもなく、負けたからといって前途に暗雲が立ち込めるわけでもない。先に述べたとおり、アルガルベカップでのなでしこの最大の目的は、自分たちの足場固めにあるからだ。オリンピックイヤーに迎える初の対外試合の意義を、決して見誤らぬようにしたい。