ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
離脱者多数でU-23代表はどう戦う?
マレーシア戦前夜の最新現地ルポ。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/02/21 12:00
「(5カ月ぶりにU-23代表に選ばれて)感謝しないといけない、と。協会にも、関塚監督にも。その感謝の気持ちを結果で出せるようにしたい」と意気込みを語っていた原口元気
個人突破が仕掛けられるドリブラー、原口元気への期待。
そんな中、原口元気の復帰はチームにとって光明になった。
シリア戦では、ドリブルなどで個人突破を仕掛ける選手がいなかった。原口は個人突破を仕掛けられる数少ないドリブルのスペシャリスト。しかも、ミハイロ・ペトロビッチ新監督の下、浦和でパスサッカーも学び、ショートパスで局面を打開する術までも習得しつつある。
自らがタメを作り、「スルーパスというイメージもある」と攻撃にアクセントをつけることまで自覚している。
また、新戦力の杉本健勇、シリア戦では出番がなかった齋藤学らもおり、彼らがチームにフィットすれば、攻撃のオプションはさらに増すだろう。
大量得点のために最低限必要な、早い時間帯での先制点。
試合を優位に展開し、大量得点を可能にするには、もうひとつ必要なものがある。
「早い時間の先制点ですね」
東は、そう言ってこう続けた。
「絶対に勝たないといけない緊張感がある中、早い時間に点が取れれば気持ちに余裕ができるし、余裕ができたらもっといい攻撃ができる。そうなれば、決して簡単ではないけど、もっと点を取ることも可能になってくると思います」
東の言葉からは、先制点を早い時間に決められたら勝ち点3と大量得点の二兎を実現できるという自信が読み取れる。
ただ、このチームは試合を一旦支配すると、途中で急にペースダウンしてしまう傾向が見られる。前回のマレーシア戦も東のゴールで1点取った後、数多くのチャンスを作り、いつでも点が取れるだろうという空気になった。
だが、なかなか決められず、後半途中からマレーシアに逆に押し込まれた。今回もその懸念はあるが、選手の表情や姿勢を見る限り、杞憂に終わりそうだ。