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黒田博樹の成功と松坂大輔の蹉跌。
ダルビッシュが2人から学ぶべきもの。 

text by

菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byGetty Images

posted2011/11/29 10:30

黒田博樹の成功と松坂大輔の蹉跌。ダルビッシュが2人から学ぶべきもの。<Number Web> photograph by Getty Images

黒田博樹は今シーズン、32試合に登板し13勝16敗、防御率3.07とチームに貢献。FAとなっており、残留か移籍かその動向が注目される。松坂大輔は右ひじの手術から順調な回復を見せており、来季復帰に向けリハビリに励んでいる

メジャーで生き残るために必要な“適応力”とは?

 この黒田と松坂の適応の違いは、多分に両者の年齢差も関係しているだろう。

 メジャー1年目時の年齢は、松坂が26なのに対し黒田は33。まだまだ若い松坂は日本のように投げ続けてもシーズンを乗り切れる体力も回復力もあったのに対し、肉体的にピークを過ぎたであろう黒田はメジャーで投げながら発想の転換を余儀なくされたとみている。そう考えると、すでに31歳になった松坂も復帰以降こそ、本当の意味でのメジャーへの適応が必要になってくるはずだ。

 仮に来年ダルビッシュがメジャー移籍したとしてもまだ25歳。体力的には何ら問題はない。しかも、彼のストイックなまでの体調管理は関係者から感嘆の声が聞こえるほどで、体力面でも投球同様に毎年進化を遂げているのだという。だからこそ余計に、松坂のような落とし穴にはまってしまう可能性もある。

 もちろんメジャーの錚々たる打者と対峙する上で、自分の100%の投球を常にしなければならないという投手心理は痛いほどわかる。

 しかし、1日でも早く黒田のような適応力を身につけることで、体力が低下した後でも長期にわたってメジャーで通用する投手になれる可能性も高くなるのだ。あくまでここで論じたことは個人的な推察の域を超えていないが、これがダルビッシュに限らず、今後日本からやって来る投手(特に先発投手)にとってメジャーで成功するカギになるのではないだろうか。

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