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MLBのプレーオフを前に改めて考える、
「ワイルドカード」制度が成功した理由。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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posted2011/09/20 10:30

MLBのプレーオフを前に改めて考える、「ワイルドカード」制度が成功した理由。<Number Web> photograph by Getty Images

バド・セリグ、MLBコミッショナー。今季、ワイルドカードの拡大は見送ったが、来季は2チームから4チームへ増加したい意向を表明している

ワイルドカードのチームも胸を張れる成績を残している。

 表の括弧内の順位に注目して欲しい。プレーオフ出場4チームによる公式戦成績(タイによる1試合プレーオフは省く)を順位にしたものだ。いちいち説明を挟む必要はないだろう。ワイルドカードだからといって他の地区首位チームに成績が劣るわけではなく、彼らと互角もしくはそれ以上の成績を残しているのだ。

 特に、両リーグともにワイルドカード・チームがワールドシリーズに進出した2002年以降、成績4位だったワイルドカード・チームは2つしかいないように、今やファンの誰1人としてワイルドカード・チームを侮るものなど存在しないし、現行制度に納得もしている。

 仮にコミッショナーの思惑通り、来年からワイルドカードが2チームに増えたとしよう。

 2010年の場合ならア・リーグの第2のワイルドカード・チームは89勝73敗のレッドソックスとなり、西地区覇者でワールドシリーズに進出したレンジャーズ(90勝72敗)と1勝しか変わらない。

 ナ・リーグにしても90勝72敗のパドレスがプレーオフに進出できるようになるが、中地区覇者のレッズ、ワイルドカードのブレーブス(ともに91勝71敗)とやはり1勝しか変わらない。つまりあと1チーム増やしてもプレーオフ出場チーム間で大幅な実力差が生じる可能性はないと考えていい。つまり今後も選手、ファンの間でワイルドカードによるプレーオフ出場の“妥当性”、“正当性”が失われることはないだろう。

“ワイルドカード候補≒優勝候補”が成立する伯仲ぶり。

 新制度が実施されるか否かはこのオフ以降にトピックスとして取り上げるとして、まずは今シーズンのポストシーズンの行方だ。

 このまま順調にいけばア・リーグはレッドソックスが、そしてナ・リーグはブレーブスがワイルドカード・チームとしてプレーオフに進出する。

 特にレッドソックスはリーグ内でも屈指の戦力を揃えているだけに、間違いなく優勝候補の一角を占めている。ブレーブスにしても、独走を続けるフィリーズを除けば他地区で首位争いできる成績を残している。

 果たして今シーズンは、4年ぶりのワイルドカード・チームのワールドシリーズ進出があるのだろうか。

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