スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
チーム青森の敗退から見えた、
マネジメントの“超”複雑要素。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2010/02/24 18:45
カーリングにおける“マネジメント”の面白さ。
他の競技とは違って、カーリングにおける交代はより大きな意味を持つ。選手はそれぞれのポジションに思い入れ、責任、そしてプライドがある。
ましてやオリンピックという大舞台でのオーダーの変更は、決定する側にしても大きな勇気が必要だっただろう。
日本チームはリスクを取り、結果としては残念ながら、リターンがなかったということである。
今回のバンクーバー・オリンピックの中継で、カーリングの戦略面の面白さに目覚めた人は多いと思う。
次に目を向けて欲しいのは、こうした「マネジメント」の部分なのである。
流れが悪いときに、どういう手を打つべきなのか?
人を入れ替えるのか?
戦略を見直すのか?
それとも、じっと我慢すべきなのか?
各チームによって危機やスランプに対処する方法は異なっており、それによってスキップや監督、コーチの性格が透けて見える。そこが面白い。
もっとわかりやすい例で言えば、ミスショットしたあとに、どうやって気持ちを切り替えるかも、選手にとってはマネジメントの重要な一部だ。
カーリングとはマネジメントと背中合わせの競技なのだ。
そういう意味で、カーリングとはきわめて現代的な性格を持ったスポーツということが出来るのである。