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3・11以降の初心者ツーキニストへ。
通勤を娯楽に変える特別TIPS。
text by
疋田智Satoshi Hikita
photograph bySatoshi Hikita
posted2011/05/21 08:00
最近では通勤電車内の公共広告にまで自転車通勤の勧めが!
「夜の道草」を充実させてくれる各種サポートグッズ。
さて、当たり前のことだけど、そういう通勤帰りの道草は、夜であることが多い。
普通の時間、普通の会社に通っている限り、そうなるのは当たり前で、そこをサポートするグッズがいくつかある。そのほんの一部をあげておこう。夜は昼より危険が大だから。
いの一番の必需品こそ、ライト(前照灯)である。ま、必需品というよりも、これはもう道交法でも定められているわけで、必需品以前、前提条件なわけだ。
というと、いまだに「でもさ、おれ、自転車ライト点けるの嫌いだかんね」という反応を受けることがある。自転車用の発電機(ダイナモ)を倒す(ONにする)と、ペダルが重くなるから、というのが、その理由。うわ、昭和的。
私などはちょっと驚いてしまうんだけど、一度、身に染みついたイメージはなかなか抜けない。大丈夫です。もはや自転車ライトの主流は、あの「ダイナモライト」ではありません!!
現在の主流は完全に「電池式LEDライト」である。
もちろん私のお薦めもLED方面で、明るさ、快適性、コスト、と、どれをとっても圧倒的にLEDに軍配が上がる(ちなみにダイナモにしても、最新のダイナモは、かつて一般的だった「リムダイナモ」ではなく「ハブダイナモ」というものが出現していて、これはペダルがほとんど重くならない)。
バッテリー式のLEDライトは、本体も安いし(満足いく明るさで2000円前後から)、明るいし、ペダルが重くなることなど皆無だ。
バッテリーを流行りの新型充電池(サンヨーの“エネループ”など)にすれば、1カ月に1度くらいの充電で、電気代など、2、3円程度しかかからない。
持っていない人はこれはもう買うしかないと思う。別に専門ショップに行かなくても、ホームセンターなどで安く売っている。
ハンドルにちょこんと着けるだけ。電池代などまったく気にならないから、なるべく明るいタイプがいい。
通勤経路を問わず、だ。「都会だから道なんて見える、街灯も明るい」などと思ってはならない。自転車の前照灯は、道を照らすためというよりも、相手に自分を認識してもらうため、という役目の方が大きいのだから。
夜グッズの王者「フラッシャー」とは何ぞや?
前照灯は、明るく前を照らすためのライトだが、後続車両に注意を促すために点けるのが、フラッシャーである。小さな赤い光がチカチカ点滅するライト。
じつは前照灯よりも安全性に貢献するのが、このフラッシャーだ。私は「夜グッズの王者」はこれだと思っている。
これまたLEDタイプが多数出回っている。
法律では、リフレクター(反射板)が必須と定められているんだけど、リフレクターより、点滅LEDの方がはるかに視認性がよく、自らを守るためになる。
この二つを併せてリアに付けるのが理想的だ。
LEDは点滅させる。点灯ではない。やはり人間というものは動くものには反応するもので、同じLEDでもベタッと点けているよりは、点滅していた方が、脳が「何だろう?」と視認しやすい。つまりドライバーへの注意喚起になる。
東京都心を夜走ってみると分かるけど、点滅しない光は、もう本当に数限りなくあるわけで、その中で「オレは自転車だ」「自転車ここにあり」とアピールするためにも「赤ランプ」の「チカチカ」は有効なのだ。
ちなみに昨今の自転車ブームで、このLEDフラッシャーも色とりどり新製品バラエティ多数ということになってるんだけど、注意しなくてはならないのは、「後は赤色、前は白または薄い黄色」であること。ゆめゆめ逆にしてはならない。
赤色を点滅させながら「うひゃー、近づいてくる!」なんてのは、危険でしかない。せっかくフラッシャーを点けてもむしろ逆効果だ。