自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER
3・11以降の初心者ツーキニストへ。
通勤を娯楽に変える特別TIPS。
text by
疋田智Satoshi Hikita
photograph bySatoshi Hikita
posted2011/05/21 08:00
最近では通勤電車内の公共広告にまで自転車通勤の勧めが!
自転車屋さんと仲良くなっておくとなぜ良いか?
これは「自転車の調子が悪い場合」「壊れた場合」に駆け込むことができるというだけでなく、空気ポンプを借りることができる、という日常のメリットがある。
走っているウチに、あ、前のタイヤの空気圧が甘いな、なんてことは、しょっちゅう出てくる。で、その場合、リム打ちパンク(空気圧の低いタイヤで硬い段差へ当たった時に衝撃でタイヤチューブが傷つくパンク)のリスクが目の前にあるということでもある。即、空気を入れたい。「あとで」なんて思っていると絶対に忘れてしまう。
また、パンクした時だってそうだ。自分でだって直せるという人は多いだろう。でも、その万一のリスクのためにインフレーター(空気ポンプ)を常時携帯しておくというのもタマラン話だ。ましてやツーリングなどではなく、日常の通勤である。
ここはやはりトラブルがあった時点で自転車は押して歩くことにし、空気を入れてもらえる先をキープしておきたいもの。
そのためには「場所チェック」というだけじゃない。何かあったら、その店で自転車のものを買っておく。フラッシャーでも、ヘルメットでも、はたまたチューブやタイヤなど、なんでもいい。
要するに自分から意識的に「常連さん」になっておくことだ。そうすると、空気ポンプをお借りする際にも、気持ちよくお願いできる。
まだある。
自転車は楽しいが、もしもの時を考え他の交通手段もチェック!
通勤経路上の、最重要チェックポイントは、実は鉄道の駅だ。
滅多にあるわけじゃないが、何らかの理由で「ここから先は自転車では行けない」という状況に陥ることがある。
大事故で通行止めになったりするかも知れない。雨だって急にザッと降ることがある。たとえば、先にあげたパンクだって、いい例だ。
もちろん「その場で修理」だってできないわけじゃない。しかし、それには最低15分はかかってしまうわけだ。朝の通勤時、誰にとってだって、15分のロスは致命的だ。また空気ポンプだって持っていることはむしろ少ないだろう。
その際、道端にチェーンキーでグルグル巻きにして、盗難に万全を期した上で自転車を置く。その上で電車に乗り込んでしまうのだ。
同じことは駅に限らない。
というか、どうしても駅が近くにない地域だってある。その場合は、どっちの方角を向いていてもいいから「幹線道路」の存在だ。なぜなら、幹線道路には必ずタクシーが走っているからだ。
要するに「自転車オンリー」のモノカルチャー通勤ではなく、第2の足を確保しておくことなのだ。
他にも自転車通勤を楽チンにしてくれるこんな工夫が。
さらに言うと、ホームセンター(HC)というのは、割合に便利だ。HCには必ず「サイクルコーナー」というのがあって、潤滑油ほか、便利なものをかなり安く売ってるから。
たとえばゴムの荷紐みたいなもの。こうした、そこまでクオリティが問われない消耗品などについては、別段、専門店で買わなくても、こうしたところで安く手に入れるというのはアリだろう。
また、公衆トイレ、雨宿りできる場所、坂のない第2のルート(これを知っていると徹夜明けの時など、かなり楽です)など、チェックしておくと便利なものはいろいろある。
で、だ。
その上で、自転車通勤の楽しさは、道草の楽しさでもある。