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「センガがマウンドなら相手が誰でも…」監督も大絶賛のメッツ・千賀滉大の絶好調…“年俸270万円”からの下剋上は「三振を取らなくなった」から?  

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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posted2025/04/25 06:03

「センガがマウンドなら相手が誰でも…」監督も大絶賛のメッツ・千賀滉大の絶好調…“年俸270万円”からの下剋上は「三振を取らなくなった」から? <Number Web> photograph by Getty Images

メジャーの強打者を手玉に取ったメッツ・千賀滉大の“お化けフォーク”は今季も健在。一方で、投球スタイルには意外な変化も?

 そんな驚異的な数字を叩き出す佐々木のスプリット以上に、千賀のフォークは「消える魔球」としてMLBの舞台で打者を圧倒している。しかも、それは正確なコントロールとともに、だ。

 MLB公式サイト内にあるStatcastのデータによれば、MLB全体でフォーク系の球種は空振り率が高く、千賀の「ゴーストフォーク」は2023年に59.5%という異常なWhiff%(空振り率)を記録。これはピッチトラッキング時代における先発投手の球種別で歴代最高水準にあたるのではないか。

 そして、今シーズンもフォークボールでは46.9%と高確率で空振りを奪っている。ちなみに、ナショナル・リーグで目下奪三振王(4月24日時点)のザック・ウィーラー(フィラデルフィア・フィリーズ)のスプリットが同じく空振り率46.9%ということからも、千賀のフォークの凄さが鮮明になる。

“お化けフォーク”増加も…奪三振率は低下のナゼ 

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 加えて今季、大きな変化が見られるのが千賀の配球だ。

 フォークボールの使用率が2023年の23.8%から2025年には26.7%へと増加。代わりにカッター(25.0%→20.2%)、フォーシーム(37.0%→34.5%)がわずかに減少し、“お化けフォーク”を軸としたピッチングスタイルがより明確になっている。

 そしてもう一つ顕著なのが、奪三振率(K/9)の低下である。

 2019年の福岡ソフトバンクホークス時代は11.33(180.1回227奪三振)、メジャー1年目の2023年は10.93(166.1回202奪三振)。だが、今季はここまで7.94(22.2回20奪三振)という数値だ。

【次ページ】 「効率的な投球」という新たな引き出し

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