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「センガがマウンドなら相手が誰でも…」監督も大絶賛のメッツ・千賀滉大の絶好調…“年俸270万円”からの下剋上は「三振を取らなくなった」から?
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph byGetty Images
posted2025/04/25 06:03

メジャーの強打者を手玉に取ったメッツ・千賀滉大の“お化けフォーク”は今季も健在。一方で、投球スタイルには意外な変化も?
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一般的な投手であれば十分な数字とはいえ、これまでの千賀の実績と比べると表面上はやや物足りなく見える。
それでも結果は出ている。被打率は低く、四球も少ない。ランナーを出さず、点も与えない。2025年4月14日のオークランド・アスレチックス戦では、わずか79球で7回無失点。三振でねじ伏せるのではなく、打たせて取る効率的な投球でファンをうならせた。『Sports Illustrated』ではこの試合を「今季メッツで最高の先発登板」と評している。
この安定感の背景には、アシスタントピッチングコーチとして今季加入したデジ・ドラッシェルの存在がある。『The Athletic』によると、彼は千賀の肩を守り、球数を制限し、時には「もう十分だ」と止める役目を担っている。
「効率的な投球」という新たな引き出し
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MLBでは、フォーク系の球種は肘や肩への負担が大きいと考えられ、特に若手育成の場面では避けられがちだ。一方で、それでも千賀はこの球種を武器に正面から勝負し、結果を残してきた投手でもある。
大きな落差のフォークボールの切れ味と、派手な奪三振は確かに見栄えが良い。だが、反面それは球数を増やし、結果的に身体への負担も増やすことになる。故障明けのシーズンということも鑑みて、ドラッシェルがその塩梅を絶妙にコントロールしているのではないか。