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「センガがマウンドなら相手が誰でも…」監督も大絶賛のメッツ・千賀滉大の絶好調…“年俸270万円”からの下剋上は「三振を取らなくなった」から?
posted2025/04/25 06:03

メジャーの強打者を手玉に取ったメッツ・千賀滉大の“お化けフォーク”は今季も健在。一方で、投球スタイルには意外な変化も?
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph by
Getty Images
連日、大谷翔平をはじめロサンゼルス・ドジャースのニュースで盛り上がる日本の野球ファンたち。だが、アメリカの反対側、東海岸ではニューヨーク・メッツの千賀滉大が圧巻の投球を見せている。規定投球回数にはまだ到達していないものの、4月24日時点で、4試合22.2イニングを投げ、防御率0.79という驚異的な数字を叩き出している。昨季は右肩を痛めて早々にチームから離脱するなど相次ぐけがに苦しんだ千賀だが、今季の躍進のウラには投球スタイルの「ある変化」が――?《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》
千賀滉大の“伝家の宝刀”フォークボールの比較対象として注目したいのが、ロサンゼルス・ドジャースに入団した佐々木朗希のスプリットだ。
「驚異の回転数」を誇る佐々木のスプリット
千賀がフォーク、佐々木がスプリット──似た球種ではあるが、その性質は異なる。
佐々木のスプリットは平均85.0マイル(約137km/h)、スピンレート(1分間のボールの回転数)はシーズンに入ってから驚異の502rpmだ。これは、4月20日のセントルイス・カーディナルス戦で1100rpm前後を記録していた千賀のフォークと比べても半分以下という回転数である。
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スピンレートは当然ながら低ければ低いほど回転数が抑えられ、変化が大きくなるということになる。
結果的に佐々木のスプリットは、43インチ(約109cm)もの極端な落差を見せる時もあり、それは結果的に佐々木が制球に苦しむ遠因になっているとも言える。どちらかといえばナックルボールに近い変化と言っていいかもしれない。